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天魔異世界転移の冒険譚  作者: シュウ
第一章 異世界生活編
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第11話 初めての収納

探索の途中、俺は足元に落ちていた小石を拾った。


特に理由があったわけではない。


手の中で転がしながら歩いているうちに、ふと、昨日から試していた空間魔法のことを思い出したのだ。


枝ではうまくいかなかった。


なら、別のものならどうだろう。


俺は立ち止まり、小石を手のひらに載せた。


「……収納」


声に出してみる。


何も起きない。


いつもと同じだ。


俺は小石を見つめ、手の中から消えるところを想像した。


物体がどこか別の場所に移される。


そういうイメージを、できるだけ具体的に思い浮かべる。


その瞬間。


手のひらにあった小石が、消えた。


「……え?」


俺は自分の手を見つめた。


小石はない。


落としたのかと思って足元を探したが、見当たらない。


まさか、本当に。


俺は恐る恐る、先ほどの小石を手の中に戻すつもりで意識を向けた。


すると、小石が突然、手のひらに現れた。


俺は思わず息をのんだ。


「出た……!」


何度も手の中を確認する。


確かに、小石はある。


消えたものが、また戻ってきた。


空間魔法。


その能力の一部が、ようやく使えたのかもしれない。


だが、喜ぶのはまだ早い。


俺は小石をしまい、取り出す。


もう一度、しまう。


今度も成功した。


何度か繰り返してみると、少なくとも小石ひとつなら、意識することで出し入れできるらしい。


「これは……かなり便利だぞ」


荷物を持ち歩く負担が減る。


採取した材料をしまえる可能性もある。


ただし、どこまでできるのかは分からない。


大きな物も入るのか。


何個まで入るのか。


生き物をしまえるのか。


時間が流れるのか。


疑問はいくらでも出てくる。


今は、小石を出し入れできることが分かっただけだ。


俺はその事実を大切にしながら、再び歩き始めた。

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