決勝進出
暗い部屋。チェス盤の盤上。
白のほうには、クイーンとキングだけを残して、周囲に疎らにポーンがいるのみ。
対して黒い側には、なにもない。
「総隊長」
「あぁ。いよいよだね。」
「総隊長もでるんですか」
「ああ仕上げの時間だ。」
彼はチェス盤に黒い岩を、落とす。盤上のクイーンや、キング、全ての駒が、ころがりおちていく。
「この部屋も証拠隠滅しておいて」
「いいんですか?あのチェス盤は」
「いいよ。もう道筋は見えてるから……さぁ、みんな、戦争のお時間だ」
「……」
「……ほのか」
「さきちゃん。カレンちゃんに伝えて、いまの試合で飛び出た魔力を追う隊を編成して。もっていかれてしまった可能性が高い。」
「わかった。あの量の魔力とラクーンの様子からして、中にいた何かが奪われたのか」
「詳しくは分からないけど、ソフィアちゃんの魔法もラクーンの魔力も悪用されたら、とんでもないことになる。ミッキュ。ミッキュの知る限りの魔法生物に警戒を」
「わかったっきゅ。一度本体にもどることになるけどほのかは大丈夫っきゅか」
「まかせろ。わたしを誰だと思ってる」
「……ほんとに大丈夫っきゅか」
「……まぁ、あたしもいるし、大丈夫さ」
「私への信頼感は?!」
会場の入口
「狐綿!ちょっとどこいくんだよ」
ラクーンは彼女をおいかけた。
立ち止まった彼女は、無言でこちらを見つめる。入口から差し込む光が彼女を背後から照らし、白銀の長髪が、神秘的だった。
「……きれいだ」
ふいに口をつく。
「…………………ほぅ。見る目がある。」
口調が普段と違う。大人びた口調。どうしちまったんだよ。狐綿。
「いぇーい!!みんなのー憧れぅきつねちゃん!だ・ぞ☆」
「ほんと!どうしちまったんだよ!狐綿!!」




