本戦vs
「シルバニア。魔装は本物……。」
「きます!おねえさま!」
唖然とする姉を突き飛ばす。
「竹槍!!」
「う!」
狐綿の竹槍が伸びる。突き刺したまま伸び続ける。
「!!炎の槍よ!」
炎の槍で、狐綿の槍を止めようとするも、伸びる速度が早すぎて、逆に槍を持っていかれそうになる。
「くっ」
「ミリア選手場外失格です。」
アナウンスが無情にも響く。
「私のせいで。…未熟者は私のほうね…名乗りなさい、おつよいおふたり。」
「狐綿」「ブンプク=ラクーン」
「あなた方は、魔法少女にならないの?」
「なりたい憧れの人がいます」「おれはならない。家を立て直す」
「……人一倍想いは強いつもりでしたが、あなた方も負けれない理由がありますのよね」
「はい」「ああ」
「分かりました。アレク女学院代表。アトラ家次期当主バーバラ=アトラ。棄権いたします。頑張ってね」
「は、はい」
「勝者きつねとたぬきチーム!次は準決勝だ!」
「なんだよあいつ。棄権して。2対1になるから逃げたのか?臆病ものが」
「古田。てめぇは指揮官つうもんをまるでわかってねーよ。煉言ってやれ」
「負けが濃厚になったから、引いて。これ以上情報を与えないのと、自ら引いて余力があることを見せたんでしょ。次を見てる。」
「はぁ。んでも負けは負けだろ?」
「未熟さはまだあるが、なかなか育てがいのあるお嬢さんだぜ、なぁ、総隊長」
歓声のあがる競技場の様子をモニターで見守る白髪の青年は、傍らにいた女に声をかける。
「そうだな。……オオガマさん。首尾は?」
「上々。総隊長さんの予想通り。あなたの兵隊さんたちが、居なくなって、脅威が去ったって誤認してるわ。警備もゆるゆるで、貴族の坊ちゃんたちのいる部屋まで行けちゃった。お土産も渡せたし」
「緊張状態は長くは続かない。人間疲れるからね。偽りのゴールを用意したら、緩むさ。彼ら強くなったね。どうだい。オオガマさんから見て」
「愚息はともかく。ガールフレンドの成長ぶりには驚くさ。魔装だなんて。器としての魔力容量が思わぬ形で身になってしまったって感じかな」
「計画に支障は?」
「全くないわ。だって」
「だって?」
「あの会場にいる連中誰も気づいてない。なにより私のほうがつよいもの」
「頼もしいことだね」
盤上のコマを動かす。
「次の一手だ。」




