・:*三ᕕ( ᐛ )ᕗ塔へ4
「くくく!やるじゃねぇか。わしゃの開けた扉から巳の魔力だけを引きづり出したか。本来の力には及ばねぇけど。おかげで少し封印が緩んだ。くくく。」
「初代。あんた、人生で1度だけじゃねぇのかよ」
「あぁ、アマテラスのやつにも、嘘つきタヌキババアとよく言われてたねぇ。わしゃ。」
「あんたほかの魔法生物まだ隠し持ってないのかよ。当主の父から聞いた話じゃ。いま、蠱毒に封印してた12の魔法生物はいないって」
「さてね。現世の詳しいことまでは十分には知らねーよ。あくまでてめぇの中に眠ってた力が、猪と蛇のやつだったってだけさ」
「……蛇の試練は昔、失敗した」
「そうかい。それが縁になったんだな。てめぇの猪は貴様の性格、蛇は失敗から繋がったんだろ。」
「あんたは俺を乗っ取るのか」
「さてね。わしゃさ魔法生物を封じて、封じて、封じまくりたいだけさ。聖獣、魔獣、どちらだっていい。まだまだわしゃは満たされてない。末代。てめぇが力を求めれば、自ずと封印が緩むだろう。楽しみにしてるぜ」
杖を振り、風を通して土ぼこりを晴らす。
「なぁ、お前、本気じゃなかったろ」
ラクーンは、刃を仕舞う。
拘束はしていたが、斬撃は彼の周りの魔法だけを切り裂き抜けていた。
「はは、バレてたか。だが、」
彼から戦意はなくなっていた。
「やりすぎだろ。いくら、僕が演技派だっても」
「まぁ、敵じゃない確信は持てなかったからな。お前の普段の様子とのギャップがありすぎた。」
「へぇ、周りを気にするタイプには思わなかったけどな」
「やけに情報を話すし、いつまで経っても、狐綿の方で戦闘が始まった様子はなかった。」
「まぁ、向こうは向こうでやることはあったけど。お前のやる気を知りたかったか」
「アイツらの魔法は」
「単に教えて貰っただけ。あとは、取り巻き連中から、お前に少し嫌がらせがしたかったみたいだな。」
「……」
「怒んないのか。」
「不甲斐ないのは事実さ。…ほのか先生の指示か?」
「カレン理事長の方だな。ほのか先生は、会場で奴らを追ってるはずだ。さっさと、行きな。」
「……これだけのことになっているのに、中止にならないのは」
「おそらく魔法国側に奴らに肩入れしてるやつがいるんだろう。もしくは奴らが思った以上に手強いのか。チームって名乗っているようだ。気をつけな」
「あぁ」
「あ、ラクーンくん。すごい音したけど大丈夫だった」
「狐綿。お前のほうは、、、なにしてんだ」
「一緒にお茶してる」
焚き火を囲って面々がお茶を飲んでいた。
「委員長お疲れー」
「検査は」
「大丈夫だった。」
「検査?」
「この人たちは、狐綿さんの中にいる魔獣の再封印のための看護魔法術師だ」
ブイサインを作る二人。
「騙された?騙された?」
「あたしらもまだまだ制服いけるかもねぇ」
「ほのかさんからの頼みだったからね。教え子のためにって。隊をほっぽり出して、何やってんだか」
「魔法隊の人だったのか」
「わたし、あんなにたくさんの魔法陣初めて見た。」
「あなたもしっかり修行積んだら出来るようになるよ。頑張りな」
「……ガイアン。おれと狐綿の扱いの差はなんだ」
「生意気だからお灸をすえろってな」
「ふざけんな」
「まぁ、本気のお前の魔法があったからこそ、いま、俺たちが談笑できてる。会場には、こちらの映像は流れてないからな。全て破壊されてるようだ」
「さてと、最後にサキさんから、双子へのメッセージだ。『お前らで決めろ』だって。言えば伝わるって」
「……わかった」「うん」
なんだ?二人の表情が正反対だな。妹は明るく、兄は暗い。なんの、意味が。
「ほれ、行ってこい。殿はつとめてやるからよ。」
「あぁ」
支度を整えて、先を急ぐ。
「……お二人ともありがとうございました。」
「いやぁ、君若いのに、やるねぇ。お姉さんたちも、ノリノリになっちゃった。」
「狐綿さんは、」
「滅魔の白狐の浸食が広がってる。とりあえず抑えてみたけど。この大会終わったら、本部の隊長たちに頼んだ方がいいかも」
「さっきの話は」
「彼女なりの優しい嘘さ。泣けるねぇ。まぁ、ほのか隊長の話しからいい子なのは知ってたけど。」
「……そうですか。」
「さて、見習いくん。君の協力に感謝を。」
「いえ、クラスメイトとして、力になりたかっただけですから」
「約束どおり記憶を消すね。君の安全のためにも。」
「はい」
頑張れよ。ラクーン。狐綿。




