チーム【第二班班長 山田]
「さきちゃん!」
さきの手を引く。すんでのところで、包丁の刃が彼女の髪を切る。持ち手を離し、空中で逆手に変える。頭の上から突き刺そうと振り下ろされる。
身をかがめたさきの肩を借りて、ほのかを
黒づくめの細身の女を蹴り飛ばす。両手の包丁が怖い。
「いい蹴りね」
「力力力。身体強化魔法の蹴りなのに」
「特殊部隊が、相手の力が強いからって負ける?」
「ほのか!わかってるよな」
「もちろん!」
ほのかは魔法少女隊として10年近く活躍してきた。場数は踏んでいる。審美眼は極めてるのさ。
「あいつ、めっちゃプロポーションがいい。乳がでかい。そうGカップよ!!」
「あらん。正解」
「どこみとんねん、あほ!!捕縛!拘束!尋問!チャンスなんだよ。これは」
「ああ、そうか」
「あら、可愛い。そんな甘い考えでわたしたちが止まるとでも?」
「氷熊。強い人間じゃあなくて、強い生き物なら?」
「記憶・岩鎧。硬い鎧を着込んだら?」
「「どうする」」
「班長援護を」
「あんたらは、自分たちのすべきことをしな。大物が釣れた。隊長の言ってた、回収事案の1人。ここで制圧していく」
「なめんな。行け!氷熊」
鋭い爪を避け、女は腕に絡みつくように回転する。包丁に仕込まれた滅魔石によって、腕の魔法が切れ、ズシンと音をたてて、氷が落ちる。
「ええい!」
ほのかが包丁を下から殴りあげる。焦らず女は直ぐに手放し、体を横にずらし、ほのかの腕を取り、地面に抑え込む。
「ほのか!」
彼女の頭の上には、さきほど殴りながられた包丁が落ちてくる。
「ひっ!」
それをするりと持ち、首筋にあてる。
「あんたたち魔法使いが、わたしたちの世界に現れて、狭間の街はめちゃくちゃになってんだ。魔法使いがいつまでも優位に立てるとおもわないことだねぇ」
「わたしたちが止めてる」
「一部はねぇ。あんたらにも感謝してるが、嫌ってもいる。これからも魔法犯罪は加速度的に増えていく。わたしたちにも止めるための力が必要だ」
そういうと彼女は、ほのかの首筋にスタンガンを押し当てる。
「んぎ」
「眠ってな。すぐにお友達もよこに並べてやるからな。」




