《チーム》第2班
壁の向こう側で荒い息を吐いている隊員。5人。手を抑えてふるえている。その手は氷蜘蛛によって攻撃を受けていた。
「こ、凍りやがった。これが、戦う訓練を受けた魔法使いか。」
左手を庇いながら目出し帽の男が苦々しくつぶやく。
「厄介だねぇ。ブービートラップにも気づいた後に反応して、防ぐ。向こうじゃありえないねぇ。隊長からもらった。滅魔石つけて、さがっときな。ゆっくりあっためるんだよぉ」
特殊部隊の隊長の女が静かに言った。
「姐さん。すまない。壁のスキマから高機動のドローンのような兵器。凍らせ、動きを妨害。やつらどんどん氷の生き物を飛ばしてきやがる」
拳銃で、破壊しながら、後ずさる。
「あんなん防ぎようがないよねぇ。第一班の連中がガキになっちまった以上いざと言うときはあたしたちが、なんとかしなきゃならねないのにねぇ。」
「うへぇ、魔法少女隊のさきとほのか。最悪だ。」
「どうしたおっちゃん。強いのかあいつら。」
「あんたらみたいに異界から来た連中さ。俺たちはあいつらにしょっぴかれたのさ」
小太りの魔法使いが言った。彼は自分たちに協力しているゴロツキだ。善人とは言えないが、役にたつ。
「へー。あんたらをねぇ。」
彼女は両太もものポーチをあける。
「《山田さんちの鬼包丁》」
隊長のサバイバルナイフはそう呼ばれている。切る、なぐる、叩き潰す。様々な役割を果たす特注の大包丁。白兵戦なら、彼女の右に出るものはそうそういない。氷蜘蛛を叩き潰すと、消え失せた。
「今回は滅魔石を混ぜ込んだ刃だ。まだ純度が低いから完全消滅はしないけどねぇ。それなりにはやれる」
「姐さん」
「追ってきてる連中の面がわかった。大収穫さ。有名人なら、あとで対策を練りやすいねぇ。このまま撤退してもいいけど」
「姐さん?」
「少し遊んでいいかい?」




