浮島の戦い2
崩れゆく足場。下に落ちていく。もし、おれが、ちゃんと継承出来ていれば助けられたのか。
ラクーンはまた、蠱毒を乗り越えられなかった。未だに、亥 のみ。一族の名を継ぐには弱い。
父は憤慨し。
そう。
母は静かに言った。
10歳の誕生日の際に事件が起こり、ブンプク家の管理していた魔法生物が脱走。母は消え、父は落ちぶれた。
お前に才能があれば。
顔を見合せるたびに言われた言葉が頭でめぐる。
「うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!!!」
「妹!ダウンで、俺を下に落とせ!あいつより下へ」
「何を言って」
「あいつが死んでいいのか!」
「それはいや」
「いくぞ!」
「は?」
兄の肩をつかみ、一緒に落ちる。
「なにするんだ!お前!」
「うるせぇ!力を貸せ!」
「誰が!」
「頼む!!!!」
地面が近づく中真っ直ぐ見詰める。
「あああ、もう!何を上げる!!全員を上に引っ張りあげるなんて出来ないぞ!」
「落ちてる岩の強度を上げろ!!」
「はぁ?!何言って!!」
「全て、撃ちあげる」
「……ばかなのか、……もうどうにでもなれ!!!アッパー!!!」
ラクーンは目を閉じて息を少し吐く。
「才能なくても、力がなくても、俺は!!」
手には魔銃。
「分福弐釜!!二丁魔銃」
「亥突猛進!!」
撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃って撃ちあげろ!!!!!
軋む腕、痛む指先。
「まじ、かよ、、、、」
的確に当て続ける。
「コマイ!お前もボケっとすんな」
「うぉ!!」
上に撃ち上げられる。
その姿を見て、全身の力が抜ける。
あとは、たぶん、うまくやるだろう。
「へ、、、ざまぁ、みろ、、、」
何に対して出た言葉なのか、口から出た言葉に驚く。
おい。
薄れゆく意識の中で女の声がする。
まだ、助けきれなかったやつがいたのか。
おい。周りを見ろ。
「なんだ、これ」
周りの動きがとまっている。
「【茶柱】を貸せ。助けてやる」
「ちゃばしら?」
「……?子孫のお前が持ってないのか?ふん、まぁいい。」
「誰だよ、あんた、その家紋。うちの」
「ん?ああ。家紋になってんのか。お前の時代には。」
「おれの、時代?」
「まぁ、いいや。いまは、死にかけたなかの走馬灯。生き延びるために過去の記憶をさがしてる。脳のバグ。わしゃ。その魂のバグみたいなもんさ。いまはな。わしゃが出てきたなら、狐が出たかな。楔がゆるゆるだな。むしろ取り込まれかけておる、か。さして驚きもしないが。」
「何を言って」
「うむ。わしゃの子孫は、何も知らぬか。こまったわい」
「誰なんだ、あんた」
「んわしゃ。分福茶釜。【大風呂敷】分福茶釜じゃ。」




