レディー2
「とまらないぃぃ!!妹ちゃん!!がんばってえええ」
「……あんまり切っ先に近づかない。がんばってる。あたしはもう、がんばってる。狐綿もがんばって。お兄が死んじゃう」
「う、うん」
狐綿もおもいつく限りの魔法はためした。試しまくった。火炎魔法、雷魔法、水魔法、きのこ魔法、家事魔法、掃除魔法。思いつくかぎり。その場にへたりこむ。
「なんなのこの魔法……」
魔法をかき消す回転。1度つかった魔法へは耐性をもつ。妹ちゃんの魔法も徐々に停めきれなくなってきてる。思った以上に時間がない。
「わたしのせいで、また、不幸に……」
動悸がとまらない。手の震えも。やけに大きく聞こえる自分の荒い息。
「…………やだ」
「ったくなさけねー。まだレベル5くらいだぞ」
「っるせぇよ。」
「聞いてた話とだいぶ違うな。召喚術師。ブンブクのやつらは瞬間同時召喚であばれまわったってのに。豚いっぴきしかみてねーぞ」
「イノシシだ!!……っ!『猪突』」
避けた氷獣に銃弾をあびせる。
「……お前、魔法国出身だろ?なんで銃なんか使ってんだ。そんなおもちゃみたいな」
「っるっせぇよ。こないだ襲ってきた奴らが使ってたんだよ」
「襲われたヤツの力を取り込むか。恥はないの」
「…………弱い俺がなにを言っても通らねぇのはわかってるよ。誰もついてこねーし。家の再興なんて夢のまた夢だ。恥も外聞もかなぐり捨てて、前に進まなきゃいけねーんだよ」
「ふーん。んで、なんでお前は氷獣とぼくの間に立つように立ち回ってんだ?」
「あ?……となりでやられるのを黙って見てろってか?」
「僕はそもそもプログラムから外れてるからね」
「は?」「ん?」
「だってお姉ちゃんが、僕を殺そうとするわけないじゃないか」
そういった矢先。奴に氷獣がかじりつく。
「っ!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い?!」
「っ!!はっははは!お前だって襲われてるじゃないか」
「み、見てないで助けろよ」
「助けて下さいだろ?」
そういいつつ、氷犬を蹴って追い払う。
「ッてぇ!、お姉ちゃんめ」
「はぁ、礼はないのかよ」
「ないね!ぼくは。アッパー!!」
魔力が練られ肥大化した腕を振り抜く。粉々に氷の獣を砕く。
「君よりつよい」
「ああ、そうかよ!」
氷獣が破壊されました。レベルが上がります。
「てんめえええ!」
「しまったア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」




