第弍章:魔法少女養成選抜試験
山本が部屋を出たあと、白髪の男に、青年は話しかける。キャップの下から覗かせる目は好奇に満ちていた。
「たーいちょ。どうするんです?」
「魔法国側の人間にバレた以上、計画を早めるほかないね。データはそれなりに揃ったわけだし。滅魔石があれば、魔法国民は魔法が弱まるし、我々の銃火器は使える。」
部屋の奥から続々と人が入ってくる。あるものは乱暴に。ある者は穏やかに。テーブルに着く。
「待たせたね。みんな。任務だ」
彼はテーブルに写真を広げた。ピンが幾つも刺された魔法国の地図の上。写真を注意深く見る。
「どいつも、僕たちには必要な人材だ。出来れば生け捕りが望ましい。」
静かに命令を待つ武装集団。
「捕獲しろ」
「「「応」」」
その内の1枚はの写真だった。
「うーん。頭痛い」
ほのかが目を覚ましたのは1週間が経っていた。事件の後だった。狐綿ちゃんが魔法隊学校に通報、応援が来て回収。現場検証諸々があったそうだ。いまは医務室によこになり、マンドレイクの点滴をうたれ寝ていた。
「宮内先生、着任早々無茶しすぎかしら」
「すみません」
話しかけてきたのは、獣人の女医。
「猫耳お姉様っきゅーー!!」
「あらあらあらあらあらあら」
飛びでたミッキュを鷲掴み、流れるように麻酔を打ち、眠らせる。
「おやすみ♡」
「きゅー」
けつにぶっとい注射器が刺さっている。
「生徒に超遠距離魔法を撃たせるのも、どうかしら?魔力切れの患者が二人になるところよ」
「す、すみませんでした。あ、その二人は?」
「ブンブク=ラクーン、影白狐綿は、交互に見舞いに来てましたよ。呼んじゃいましょう」
狐綿ちゃんはおろおろと心配そうにほのかに駆け寄った。
「ほのか先生!目が覚めたんですね!良かった、わたし、またやってしまったのかと」
後ろから気まずそうにラクーンも入ってきた。
「……悪かったよ、………」
「何に対して謝ってんの?」
「あんたがあんなにすごい魔法使いだなんて」
「わたしたちを見下してすみませんでしょうが。狐綿ちゃんが待機してたから、私も思いっきりやれたんだし」
「なぁ、あんたが、俺を助けに来たのは、俺が貴族だからか?」
「…っはははは!!!」
ほのかは笑った。
「先生が生徒助けないでどうするよ?何当たり前のこと言ってんのよ」
「そうか…………」
「あ、あの、ほのか先生が目を覚ましたら、理事長室に来て欲しいと言われてました。」
「わかったわ」




