チーム
「だっはー」
ほのかはその場に大の字で倒れた。
「追跡できそう?」
「無理っきゅね。発信力の強い種を紛らせたっきゅけど、あの指輪で魔力の繋がりが切れて分からないっきゅ」
「やっぱ。無理か。滅魔石だろうね。あの指輪。でも」
「任意の発動は聞いたことないっきゅ。あのあと魔法で居なくなったっきゅよね」
「そう、だ、ね、、」
「ん。ほのか?ほのか大丈夫っきゅか?!ほのか!」
魔力切れでほのかは意識を失った。
「おかえり。山本」
「戻りました。隊長」
スーツの男は敬礼する。
「楽にしていいよ。」
「はっ」
「随分早い帰還だね」
「邪魔が入りまして。ですが、今後の作戦に有用な人物を見つけました」
「へぇ、聞かせてよ」
月光の下1人の細身の男が現れる。ラフなVネックの黒いロングTシャツ。月の下に輝く白髪はボサボサで。20代と見られる痩せた体つき。目だけがやたらと鋭い赤い瞳。
「属性や系統を無視した多彩な魔法を使う女に、五大貴族の息子。超遠距離からの魔法を放てる大魔力の奴らの仲間。どれも我々にとって価値のある人物です」
「いいね。詳しい特徴をみんなに聞かせて捕まえよう。それより滅魔を使用したみたいだね」
「なぜそれを」
静かに立ち上がり、サングラスの男に近づく。
「まだその時じゃない」
「すみません」
「はははは、そんな顔しないでくれ。まるで殺されるみたいじゃないか」
優しく微笑む。
「まだ情報を聞いてない。聞いてからだよ」
「な、」
「我が身可愛さに、秘密を漏らす。そんなうっかりさんはいらなーい。」
ゆっくりと青白い手が彼の頭に伸びる。
「わ、わたしが、必ず、そいつらを捕まえます。必ずです!」
「必ず、秘密を、守るって、言った、よね?」
「あ、が、」
ミシミシと、彼の頭蓋が音をたてる。
「約束破っておいて、虫が良すぎるよ、ね」
「は、はい、す、すみま、せん」
「たーいちょ!そのあたりでやめないと、死んじゃうよ?そいつ。……俺たち【チーム】は人選でも、苦労してんだから、そう、ほいほい減らさないでほしいかも」
「それもそうだ」
「はぁ、はぁ、はぁ、」
「山本、次はないよ。」




