10年後ほのかの実力
吹き飛ばした扉で、1人を押しつぶす。中にいた6人。全員が呆気にとられていた。縄にしばられたラクーンが、叫ぶ。
袖から杖をだし、空中に魔法陣を書き出す。
「記憶拳拳」
半透明な魔法の腕があらわれ、男たちを殴り飛ばす。
「弱い!!」
ほのかは歯噛みした。イメージ通りに魔法が発動しない。魔力不足か。
「ミッキュ!もっと出力あげて」
「む、無理っきゅー」
カピカピな米粒みたいなミッキュはなさけなく音を上げる。
「いってぇな!」
「あーもう、わたしが、ちょっとえっちな服きてあげるから、頑張って!、ね!」
「ゲロ吐きそうっきゅ」
「なんでよ!」
吹き飛ばされた男たちはゆっくりと立ち上がる。舌打ちしたほのかは床に手を当て、杖をもたない手で呪印を結ぶ。
「記憶変化変化」
建物の床がゴムのように柔らかくなり、男たちはよろめく。
「な、なんだ、床がやわらかくなって」
「動きズレぇ」
「ほっ、と」
先程出した半透明の腕に掴まり、反動をつけたほのかの体が宙に浮く。
「ほのかぁキック!!」
両足のドロップキックをかまし、さらに男の顔を蹴り飛ばし、体が舞う。仰け反り、逆さまに見える視界の中で狙いを定め杖を振るう。
「あと、3人!!」
「記憶氷炎」
青い炎が杖先に灯る。
「火球!!」
「あっつ!!……いや、熱くねぇ、さ、寒い、凍って」
足が地面に凍らされて動けない男たちを尻目に、魔力を絞り出す。
「記憶ラットファイヤーワークス」
煙や火花が飛び散り、何も見えなくなる。
「おい、風の魔法だ」
「へ、へい。旦那。突風」
煙が晴れる。




