狐綿の魔法2
村に戻りながらほのかは、学校からもらった資料のことを思い出していた。
「まさか、あなたが理事長になってるなんてね。カリン」
「ほのかが、ぜーんぜん遊びに来てくれないからデース。小耳に挟んだので、学園買ったんデース」
謎の外人みたいな喋り方を未だに続けているようだ。学園買うってなに?カリンちゃんは色々と暗躍……もとい努力した結果、いつの間にか魔法国で領地をもてるくらいの大金持ちになっていた。
「ふふふ!気になるふたりがいて、ほのかのチームにぶち込みました。誰も担当になりたがらないっていう訳デース。」
ほのかは水晶玉を受け取り閲覧する。
空中に浮かび上がったのは、ムスッとした銀髪の少年と、オドオドした金髪の少女だった。
「不貞腐れボーイは、担当になった教師とことごとく揉めていて、実家の事もあるから誰も厳しく言えなかったみたいデース。生意気ボンボンボーイネ。もう一人の狐綿ちゃんは、魔力切ればかり起こす子で、原因をさぐって欲しいデース。彼女は万年落ちこぼれでした。」
「飛行魔法であれだけとべるのに?魔力切れ?」
「彼女自身の魔力は少ないですが、周りから吸い上げちゃう事があるみたいデース」
「魔力切れになるのは」
「そう。まわりの人間デース。彼女が合格できたのも、会場にいた受験者がことごとく体調不良になったから。だから、誰も持ちたくない。はっきり原因も調べられてない。でも、」
カリンは、ドンッと古く分厚い本を取り出した。何やら禍々しい魔力をまとっている。
「カリンちゃん?これって中央の図書館とこの禁書じゃ?」
「カウンターズ時代にちょっとデスネ。借りてるだけですよ。似たような症状を持つ子が昔いた。ほのかならわかるよね。魔人少女」
「え、それって。」
ほのかとミッキュ、2人の出会いにして、始まりの事件。ほのかの身体をミッキュが乗っ取ってしまったことがあったのだ。
「魔法生物の莫大な魔力を魔法少女の器に納めることで、世界を破壊しかねない魔人少女が誕生してしまう。そして、ボンボンボーイの実家は魔法国の旧家で、代々魔法生物を管理してたんだけど、その子たちが逃げ出してしまい、てんやわんや。」
「それかなりやばいんじゃ」
「狐綿ちゃんの身柄を狙うやつから、魔法生物を狙う輩、そんなヤツらから守ってほしい。あとは、ほのかみたいに、魔人少女になる可能性がある子を正しく導いてあげてほしいデース」
「どこまで本気」
「ぜんぶ、大マジ」
カリンはほほえむ。
「ほのかだから頼めるんだよ」
「狐綿ちゃん」
「はい」
「村に戻りながら、いくつか魔法を教えるね。あのヘドロも滅魔石も、多分悪い奴らが仕掛けたもので、わたしは、魔法隊の隊長だから、調べておきたいの。ミッキュも干からびてるし。何かがあったとき、あなたを守れないかもしれない。防御魔法と攻撃魔法、移動魔法を伝えるね」
「伝える?ですか?」
「わたしの固有魔法 記憶でやり方を伝える。ほんとに習得するには、何度も練習する必要があるから、わたしが調査してる間、修行してくれる?」
「は、はい」
「ラクーンにも、覚えてもらわないと」
だが、ほのかの判断は少し、遅かった。
「ラクーンが攫われた?!」
村に戻ったあとにラクーンは行方不明になっていたのだ。




