狐綿の魔法
「大丈夫、ラクーン」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「外傷はない。狐綿ちゃんのお陰だね。あの子の魔法が無かったら、もっと」
「離せ!ヘボ教師!!死ぬとこだった!俺死ぬとこだったんだぞ!!」
「……ひどいいい様だね。命の恩人に対して、ありがとうぐらい言えないのかな」
「……っぐ。帰る!俺は学園に帰る。お前なんかクビにしてやる」
そういうとラクーンは狐綿を一瞬見て、何か言おうとしたが飲み込み、帰っていってしまった。
「……ふぅ。狐綿ちゃん大丈夫?ありがとうね。ラクーンはいま、気持ちが動転してるから。それにしても凄い魔力密度の魔法だったね。あれって風玉だよね?初級魔法の」
「わた、私、無我夢中で」
狐綿は、腰が抜けてしまい、立てなくなってしまっていた。
「きゅ、きゅうう」
「ミッキュ?!」
傍らにはシワシワになったミッキュが落ちていた。干からびかけている。しわしわになりすぎてちょっときもい。
「ミッキュ、何して」
「魔力をぐいっと引き出されたっきゅ」
「しっかりしろ。美少女がミッキュと握手したいって」
「また今度って」
「ミッキュを抱きしめたいって」
「今はそっとしてほしいっきゅ」
「馬鹿な!!!!」
あの煩悩クソ獣がまるで賢者タイムのように興味を持たないだと?そんなこと、まるで何か悪いことの前触れなような。
「とにかく、村に戻ろうか」
「ほのか先生あれって何?」
ヘドロがやられた川辺り。瘴気で腐ってしまった草の中、玉虫色に光る石があった。
「これって……滅魔石?」
「滅魔石?」
「魔力を吸収してしまう石で、とても珍しい石なんだよ。牢屋とかに使われてる。なんで川なんかに。」
「村の人たちの魔法が効かなかったのは、これのせいでしょうか」
「だろうね。この石の許容量まで魔力を吸収しちゃうから。でも、この近くに、鉱脈はないはずだけど。誰かが意図的に設置した?」
「滅魔石ってたしか、かなり高価なんじゃ」
個人で買えるような代物じゃない。
「んー、なんか雲行きが怪しくなってきたな」




