ヘドロ退治
人間世界と魔法国の境界にある村。まずは、村長に挨拶をしてから、仕事に取り掛かる。
「この度はありがとうございます。我々には手に負えず」
「いえ、こちらこそ来るのが遅くなってしまいすみません。ヘドロはいつからこの村に」
「そもそも、普段は浄化魔法でこの村の川や湖は清浄されていますが、この1ヶ月魔法が効かず、川上からの汚れた水がモンスター化してしまいました。今までは雨水や貯水分を使ってましたが、限界で」
「けっ、辺境の村は下級魔法すら満足に使えないのかよ」
そんなラクーンを一瞥し、笑顔のまま圧をかける。
「狐綿ちゃんたちは外で待っててくれる?」
「は、はい」
「ったく。なんで、こんなこと俺がしないといけないんだよ。俺の魔力はB級なのによ。召喚術も使えるのに。お前のせいだぞノロマ!」
「ご、ごめんね。」
「まったくだぜ。あのクソ教官も、うんざりだ。知ってるか?班の決め方を。チームのパワーバランスを見て決めてるんだってよ。」
「そ、そうなんだ」
「きっと、俺が優秀でお前らが落第生だから組まされてるんだ。」
「だーれが、落第生だ。依頼主に対して、あの言いようはなに?チームメイトに対しても失礼きまわりない」
「当然だろ。水の浄化なんて、幼児でもできる魔法なのによ!」
「魔力が十分あって、魔法を使いこなせればね。魔力がない人もいるし、不得手な人もいる。それに今回は状況が」
「うるせーな。生まれが悪い奴のしり拭いをなんで俺たちがしないといけないんだよ。」
「ラクーンやめて」
杖を抜いたのは、狐綿だった。その杖を自分に向けた。
「わたしが足でまといだから。」
ほのかは杖を抜いて2人を縄で縛り上げる。
「狐綿も落ち着きなさい。私たちは、仕事にきてるの。依頼が着て、私たちはチームで対応する。喧嘩しに来てるんじゃない。」
「クソ、ほどきやがれ」
「う、うぅ」
「まったく先が思いやられるっキュ」
「さっさと仕事しに行くよ。」
ほのかたちを待ち受けていたのは、どろっどろのヘドロだった。川をせき止め、下流の村に新鮮な水が流れ込まないようにしている。
「うわ。ひどい匂いだな」
「くそ、なんで俺がこんなのを片付けないといけないんだよ」
「この色、普通のヘドロとは違う?」
通常ヘドロは、濃い黒緑をしているが、所々に光が見えた。狐綿は、その事を伝えようとする。
「先生、」
「掃除清潔、、、あれ?」
ほのかが杖を振っても変化がみられない。
「ポンコツ教師。」
「うっさいわ!やってみてよ。ラクーン!!」
「ったく。なんで、おれが。…………掃除清潔」
ヘドロが消えない。
「ふーん。」
「きょ、今日は調子が悪いだけだ」
顔を真っ赤にして怒るラクーン。
「ぬばああれあれああ」
突然、ヘドロが水面から飛び出してきた。
「うわあああ!!」
ラクーンの足を絡め取り、水の中に引きずり込もうとする。
「た、助け。」
「炎弾!」
ほのかが放った炎弾は、ヘドロとラクーンを分断すべく、爆ぜた。しかし、効果は薄い。
「ち、なんで!なら、防御防護、空気圧縮」
水に引きずり込まれる直前に、ラクーンに魔法をかける。かなり、強い魔法だが、ヘドロが触れている場所から、魔法がけずられていた。
「長くは、持たない」
「は、は、は、は、は、」
その状況に、パニックを起こして軽い過呼吸を起こしていた。狐綿。杖を取り出し、震える手で、構える。
「狐綿ちゃん、無理しないで。わたしが、何とかするから」
「死んじゃう。ラクーンくんが死んじゃう」
こちらの声が聞こえてない。
「ミッキュ!狐綿ちゃんを!」
「わわわ、わかったきゅ」
「死んじゃう!!死んじゃう!!嫌だ!!」
狐綿が、振った杖が風を生み出し、ヘドロを裁断する。
「わたしから、盗らないで!!!!」
「な、なに?!」
大量の魔力が、狐綿の杖にあつまり、放出される。
「うじゅらああああ」
ヘドロは断末魔をあげて、消滅した。




