ごめんなさい
「だっ誰?」
僕は剣を抜いた。
「待ってくれ、わしらはただの商人じゃ。」
現れたのは人間の年老いた男と8歳くらいの少年だった。
商人達は荷物を置いて両手を上げた。
大丈夫かな?
僕は剣を下ろそうとしたとき、トトさんがそれを止めた。
「靴も脱ぎなさい!」
靴?
商人達は靴を脱ぐと、靴の中にお金が入っていた。
そうか、靴の中に刃物とか仕込んでる場合もあるもんね、まあ今回は違ったみたいだけど。
「上着も脱ぎなさい!」
上着?
そうか、上着の袖にも刃物を隠せるもんね。
商人達は上着を脱ぐと、またお金が入っていた。
これも大丈夫。
「ズボンも脱ぎなさい!」
ズボン?
そうか、ズボンの中にも武器を隠せるもんね。
商人達はズボンを脱ぐ、今回は何もない。
あとはシャツとパンツだけだ。
「パンツも・・・。」
「トトさんストーップ。もう、もう止めておこうよ。これ以上はかわいそうだよ。」
「すみません、ちょっと調子にのっちゃいました。」
まったく、女の子がパンツを脱げなんて、なんてこと言いそうになってるの。
「商人さん達もごめんなさい。」
「ホッ、もういいのか。ふぅ。」
商人達は服と靴を元に戻した。
僕も剣を下ろす。
商人の二人と一緒になって座った。
「わしはビーツ、こやつはルー。わしらはルガンダからスティリアに向けて旅をしていたんじゃよ。」
「スティリアは今バリアルと戦争中ですよ。」
「じゃからじゃよ。今スティリアは物資が少ない。そこにわしらが必要なものを売る。それがちいと高くしても売れるんじゃよ。いい商売じゃろ。」
なるほどね、危険だけど、儲けるためにはってことか。
商売って大変だな。
「でも、スティリアはもうお城の前まで攻め込まれてて、入れないと思うけどな。」
「なんと!わしらは遅かったのか・・・。じゃあどうするかな?バリアルは今人間は入れんじゃろうし。なあ、お主らわしらの商品を少し買っていきやせんか?」
「いや、僕達は手持ちが少ないですし、旅のための準備もちゃんとしてきたので大丈夫です。」
「そうか、残念じゃ。」
「ウサミさん、そろそろ・・・。」
そうだった、のんびりしてちゃいけないよね。
僕達は立ち上がった。
「もう行くのか?」
「うん、ちょっと急ぎの用でね。」
「そうか、また会ったときはよろしくな。」
「うん、またね。」
トトさんに身体強化魔法をかけてもらい、出発した。
ビーツさん達にスティリアに来てもらうためにも、戦争を終わらせないと。