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no't ヒーロー  作者: 陽向アカネ


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3-2話

 

 「んんっ。えー、新たな情報により、お伝えします。なんと、シン・リンとコン、二人のヒーローは、不正取り締まりの疑いが発覚いたしました。追われていたエネミーが映る映像を再確認したところ、窃盗では無く、賃金を支払っていた様子が映し出されていました。初めに報道に出た防犯カメラの映像は、二人が作り出したフェイク動画だったという訳です。よって!! またもや、この方はやってくれました! ノットヒーローではなく、期待の新人ヒーロー、アクマさんです!」


 「はぁあああああ!? なんでそうなんだよーーーー!」




 俺の初舞台は、目立つ事、ヒーローに勝つ事は叶ったが、ノットヒーローとしてではなかった…。



 次の日、案の定、会長に呼び出しを喰らった。


 「アクマくん。なーんで、こうなるのかねー。もしかしてヒーローになりたかったりして? そうとなれば、即刻、ここから立ち退いて貰わないといけないんだけど…」


 後ろを向いていた会長が、回る椅子に座りながら180度回転し、俺の目を見た。俺は、目を合わせれず、逸らしながら話し始めた。


 「いえ、俺は、ノットヒーローになる為、この街に来ました。今回も、任務を果たすべく、向かいました。そして、ヒーロー二人を倒すことに成功し、追われていた、おっ…エネミーを救出することも出来ました。本当に、知らなかったんです。信じてください、会長!!」


 最後に、会長の目を見ると、会長は笑みを浮かべていた。


 なんだ、許してくれんのか。


 と、安心したが、


 「アクマくん。ヒーロー二人を倒したと言ったね? まさか、ノットヒーローが今までヒーローに勝ったことが無いのは、昨日の、低ランクヒーローにも勝ったことがないと思ってはいないだろうね?」


 「え!? 違うんすか!?」


 まだ許してくれていなかった。



 「本当にアクマくんは、疑う事を知らないねー。昨日のレベルのヒーローなら、過去のノットヒーローの9割は勝ててるよ。何故、勝ったことがないと言われているか。低ランクヒーローなんかに、目を向けないんだよ。誰もね。アクマくんは今、メディアで注目されているから放送されたけど、低ランクヒーローとノットヒーローの勝敗なんて、どちらが勝っても、お互いに得しないから。ノットヒーローは、ヒーローの中でも、SSランクのヒーローに勝ってこそ、初の勝利となるんだ」


 「SSランクって… まじかよ。そんな次元の話だったのか」


 「ちなみに、アクマくんのランクは?」


 「…Cです」


 「もうここまで言ったら分かるね? 今、自分のするべき事が。任務は、私から伝える。急な要請は、Aランク以上の手の空いてる者に頼むから、今は焦らなくていい」


 「いや…でも、俺…」


 「分かっている。君が初めて来た時の事も、君の思いも、分かっているつもりだ。だから、今じゃないと言っているんだ。能力を上手く使えれば、君のパワーは、SSランクに近づくのも早いはずだ。期待しているよ、アクマくん」


 「…はい。すみませんでした…。ちょっと考えます」


 俺は悔しさを抑えながら、俯き、会長に挨拶をすると、本部の外へ出た。



 外へ出ると、ダートンが目の前に居た。


 「また、やらかしたみたいだね〜」


 「うっせぇよ…」


 「あら、落ち込んでいるのー? アクマらしくないね。次の俺の舞台を探すんだ!とか言わないんだ」


 「会長に今は俺に用事は無いって言われたんだよ。戦力外ってやつ?」


 「そこで引き下がるんだ」


 「うっせぇ! それはそうと、昨日何してたんだよ! お前が居なくなって、一人で向かったからあーなっ…」


 「あれー? 僕のせいですか」


 「あー、わりぃ。今のは訂正するわ。お前は関係ねぇ。お前が居ても同じ事してただろうし」

 

 「もぉ〜、素直なのが逆に怖いけど、これはこれで可愛いなぁ〜、アクマ〜」


 「おい! スリスリすんな! で、俺の話は聞いてくれねぇのかよ」


 「あー、ちょっとね。SSランク対象の任務に呼ばれて、行ってたんだよ。アクマに行ったら、絶対来ようとするから、そこでヘマ犯したら、ランク上げに支障を来たすだろうと思ってさ。結局? ヘマしたらしいけど〜」


 「こういう時、慰めてくれるんじゃねぇのかよ… 冷てぇな」


 「なに!? 今日のアクマ、マジで可愛いんだけど!?」


 「揶揄うなら、どっか行け! 俺は一人になりたいんだ!」


 「じゃあ… この人、どうする?」


 ダートンの後ろから、いきなり人が現れた。


 「み、み、緑頭!? なんでこんな所に居るんだよ!!」


 緑頭は、メガネを中指で位置を直しながら、


 「あのー、まず緑頭って名前じゃないです。ちゃんと名前ありますから」


 「あーもーそれ。まず俺の問いに答えろよ」


 「仕方ないですね。僕、ノットヒーローになります。いえ、もうなったと言った方が正しいですね。しかし、シャドー街の事を全く知りません。そして聞く当ても無いので、貴方に教えてもらおうと思いましてね」


 「はぁ…? 俺が、3年の学業を経て、必死に取った免許を、昨日の今日でか?」


 「はい。何か問題でも?」


 「問題ありすぎるんだよ! ぜってぇー嘘だ。会長に連れて行こう、ダートン」


 「待て待て。それが、嘘でも無さそうなんだよ、アクマ」


 緑頭の髪の毛を掴み、本部の入り口へ入ろうとする俺を、止めるダートン。


 「ノットヒーローの免許は、通常、3年間の学業を経て、試験に合格すればなれるんだけど、例外があって。それが、ヒーローからノットヒーローになる時なんだよ。その場合、会長に認められれば、即日なれるみたいなんだ」


 「待て。昨日、ヒーローぶっ倒した近くに、緑頭居たぞ? 俺、ヒーローと同行していたのか?」


 「そう…みたいだね…」


 呆れながら笑う、ダートンを見ると、俺の情けなさが、どんどんと沁みてくる。


 「まぁ、僕は、ヒーローとは一言も言ってませんでしたからね。仕方がないですよ」


 「お前が慰めんな。緑頭」


 「だから、名前が…」


 「知らねーよ! 緑頭は緑頭だ!」


 「…分かりましたよ。では、シャドー街の事は教えてくださいね」


 「なんでそうなるんだよ!」


 「人の事を、侮辱しておきながら、道案内もしてくれないんですか? 冷たいですねー、ノットヒーローは」


 「あー、マジでこいつとは合わねぇ! どうにかしてくれよ、ダートン」


 「はいー? 合わないと思っているのはこちらもです! でも知り合いが、貴方しか居ないんだから仕方がないでしょ! どうにかしてくださいよ、ダートンさん!」



 「えーーーっと… どうしたらいいんだろう、この状況…」


 二人に板挟みにされ、困るダートン。



 「ちなみに、緑頭さんは…」


 「緑頭じゃないです。ヘッド・グリーンです」


 「あははは… ヘッド・グリーンさんは、ランクどれぐらいなの?」

 (緑頭じゃん。かっこよく聞こえるけど、緑頭じゃん… とは、言えないね)


 「Bランクです」


 「はぁ!? なんで俺より高いんだよ!?」


 「貴方、Cランクでしたか。通りで、見たことの無いと思いました」


 「あぁんっ? まだ喧嘩売んのか? こちとら暇になったからよう、いつでも受け付けてやるぜ」


 「良いですよ。これで、僕のランクがまた上がったりしても、文句言わないでくださいね」


 「なんだと〜!?」



 「あーーー、ちょっと待て待て待て。本部の前で喧嘩する奴が、どこに居るのよ。場所考えな? そして、落ち着けよ」


 ダートンが、間に入ってくれ、緑頭とは喧嘩にならずに済んだ。これ以上問題を起こすと、ノットヒーロー生命に関わるから、助かったぜ。


 「ヘッドさん。シャドー街の案内はするから安心して。でもね、何故、ヒーローからノットヒーローになったのか、詳しく聞きたいから、場所移そうか?」


 シャドー街を案内するとダートンが言った瞬間、俺は納得が行かなかったが、緑頭がキラキラとした目でダートンを見つめ、入る隙が無かった。



 場所を移した先は、シャドー喫茶店だった。今日は、大っぴらげに話せる内容では無い為、一卓しかない、個室へ案内をしてもらう。

お読みになって頂きありがとうございます。

次回も引き続き宜しくお願いします。

応援して頂けると幸いです。

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