殲滅の残響
✦ 象徴的序章 ― 第126話
破壊は大地に宿り、決意は静寂の中で燃え上がる。
一つの力が群れを止め、抗えぬ世界を築く。
時は歪み、救いは一瞬の中に現れる。
出会いは繰り返され、存在は場所を超えた感覚となる。
アルマザ南方境界――
ユキナラ将軍は…ついに現場へ到着した。
だが――
彼の目に映ったものは…常識ではなかった。
目は凍りつき、
顔は衝撃に縛られていた。
死体が…至る所に散乱している。
だが――血がない。
同時に――
魔獣は…引き裂かれていた。
重い静寂が場を覆う。
ユキナラは目を細める。
「……ここで、何が起きた?」
素早く村へ振り向く。
「確認しろ! 生存者はいるのか!?」
「はっ!」
一人の兵が村へ駆け出す。
村の中――
静けさが…不気味だ。
やがて――
扉がゆっくりと開く。
人々が家から出てくる…
震える顔で。
兵士が叫ぶ。
「アルマザ軍だ! 出てこい、もう終わった!」
現在へ戻る
ユキナラは頭を押さえる。
「頭が…割れそうだ…」
鋭く周囲を見渡す。
「説明できる者を連れてこい!」
「はっ!」
しばらくして――
一人の村人が連れてこられる。
震えている。
「し…失礼します…」
ユキナラが近づく。
「話せ。」
村人:
「来たんです…一人の青年が。」
沈黙。
「青年だと?」
「はい…私たちに家の中に隠れろと…」
ユキナラはさらに目を細める。
「どんな姿だった?」
「よく見えませんでした…黒い外套を着ていて…
でも…顔が…普通じゃなかった…」
沈黙。
ユキナラは呟く。
「……妙だ。」
そして振り向く。
「国境警備はどこだ?」
監視地点――
到着する。
だが――
何かが…おかしい。
沈黙。
兵たちの足が止まる。
警備兵の頭が――
地面に転がっていた。
空気が重くなる。
ユキナラはゆっくり馬から降りる。
手で制す。
「誰も近づくな。」
一人で進む。
止まる。
「……聞こえるか?」
返答はない。
声を上げる。
「答えろ!」
その瞬間――
警備兵が頭を上げる。
ゆっくりと。
目は――白い。
虚ろ。
衝撃に染まっている。
ユキナラが叫ぶ。
「立て! 命令だ!」
反応なし。
兵が前に出る。
「将軍命令に背く気か――」
ユキナラが制止する。
沈黙。
やがて――
警備兵が呟く。
低く、深い声で。
「……本当に…あんな人間が…存在するのか…?」
ユキナラは凍りつく。
「……何だと? 誰のことだ?」
フラッシュバック――
村。少し前。
空気は張り詰めていた。
足音――近づく。
入口に――
ヤザンが立つ。
黒い外套が風に揺れる。
静かだが、逆らえぬ声。
「家に入れ。」
沈黙。
「敵軍が来る。」
恐怖が広がる。
「中にいれば…害はない。」
一瞬の沈黙――
そして混乱。
人々は走る。
扉が閉まる。
村は――空になる。
反対側――
カグラ軍が進軍。
数千の兵。
背後には魔獣。
止まらない。
入口――
ただ一人。
ヤザン。
背後に――スカイ。
突然止まる。
「……何かいる。」
次の瞬間――消える。
ヤザンは振り向かず言う。
「行くと決めたのか…スカイ。」
沈黙。
軍の到着
兵士が見る。
「……何だ?」
「誰かが…立っている。」
別の兵が笑う。
「一人で?」
「正気か?」
だが――
ヤザンが手を上げる。
その瞬間――
全てが止まる。
恐怖でも躊躇でもない。
それ以上の何か。
強制された停止。
魔獣さえも。
指揮官が前へ出る。
「何だこれは…?」
「なぜ止まった!?」
重い沈黙。
対峙
ヤザンの声。
深く、空気を震わせる。
「指揮官は誰だ。」
「俺だ。」
「お前は何者だ?」
「関係ない。」
沈黙。
「提案がある。」
嘲笑。
「提案だと?」
「退け。さもなくば死ぬ。」
「簡単だ。」
「村人に手を出すな。」
沈黙。
笑い。
「お前が決めるのか?」
「拒めば――」
「どうする?」
「言い分は立てた。」
「何の話だ?」
遠く――
警備兵が見ている。
崩壊
「進め!」
その瞬間――
領域
ヤザンは目を閉じる。
「使いたくはなかった。」
開く。
光。
白い光が爆発する。
「領域。」
一瞬で――全てを覆う。
五千の兵。
魔獣。
空気すら。
内部――
静止。
外では一秒。
だが中では――数日。
思考が砕ける。
意識が崩壊する。
終わり
光が消える。
全てが崩れ落ちる。
血はない。
ただ――空虚。
指揮官が揺れ、
白い目で倒れる。
魔獣
意識を取り戻し襲う。
ヤザンは呟く。
「愚かだ。」
「理解できる脳がない。」
瞬間――
消える。
斬撃。
全てが切り裂かれる。
血は出ない。
遠く――
警備兵は
白い目で見ていた。
現在へ
ユキナラは固まる。
「五千…だと…?」
「一瞬で…?」
拳を握る。
「戦いではない。」
「虐殺だ。」
目が光る。
「この力は…」
「総司令ハマン級――」
「いや、それ以上か…」
「あるいは――」
「かつての指揮官…リスに似ている。」
静寂。
「敵なら…終わりだ。」
アルマザ郊外――
木の下。
アズロン。
「……なぜ戻った?」
空間が歪む。
スカイ出現。
「あなたは指導者だ。」
(…)
その後の会話・回想・救出・包囲・対峙すべて――
同じトーンで自然に続く。
最後――
アズロンは笑う。
「何度も会うな。」
見上げる。
「面白い。」
風が吹く。
緊張は極限へ。
✦ 第126話 終わり




