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イザン:血の継承  作者: Salhi smail


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125/138

崩れゆく大地

大地は――静かではなかった。

震えていた。

まるで、これから起こる何かを――感じ取っているかのように。


戦場。

砂煙と血の中で――


ツシマは立っていた。

動かぬ山のように。

その瞳は静か――だが、その奥にはすべてを砕く力が宿っていた。


その対面――

アズロンが立つ。


闇が彼の周囲に絡みつき、

禍々しい力が煙のように滲み出ていた。


彼は笑う。


「見せてみろ……その名に相応しいかどうかをな」


一瞬の静寂――

そして――


二人は消えた。


激突。


大地が爆ぜる。


ツシマの拳がアズロンに叩き込まれる。

巨大な亀裂が地面を裂き、空気さえも引き裂かれる。


アズロンは後方へ吹き飛ばされる――

だが、止まる。

足が地に食い込み、静止する。


沈黙。

そして――笑う。


「はは……」


ゆっくりと顔を上げる。

その瞳が輝く。


「大地そのものを壊す力か……いいな、ツシマ」


ツシマは睨みつける。


「……その力」

一歩。大地が震える。

「人のものではないな」


沈黙。


「お前は……何者だ?」


アズロンは答えない。

ただ――笑う。


戦いの爆発


打撃と打撃がぶつかり合う。

大地が隆起し、岩が砕け散る。


無数の光の槍がアズロンの周囲に現れ――

豪雨のように降り注ぐ。


ツシマは地面を操り、巨大な岩壁を生み出す。

だが、それは粉砕される。


それでも――

ツシマは煙の中から突き進む。


一撃。


大地が裂ける。

敵軍が裂け目に飲み込まれていく。


兵士たちの叫び。


「ツシマ将軍!!」


戦いは続く――

速く、激しく、拮抗していた。


終焉の兆し


アズロンが動きを止める。


「……ここまで来ても、折れないか」


顔を上げる。


冷たい笑み。


「遊びは終わりだ」


闇のドーム


彼が手を掲げる――


闇が爆発する。


巨大な黒い球体がすべてを飲み込む。

一瞬で――


ツシマはその中に閉じ込められた。


外では――

兵士たちが凍りつく。


「なんだ……あれは!?」


ただ黒い球体だけが存在する。

中は――見えない。


内部


完全な闇。


ツシマは動こうとする――

だが、体が言うことを聞かない。


「……っ!」


力を込める。

だが――大地は応えない。


「……これは……ただの技ではない」


静寂。


「まだ……人間なのか?」


アズロンの声が四方から響く。


「人間だと?」


暗い笑い。


「そんな弱い存在は――とっくに死んだ」


拷問


槍。


だが――巨大。重い。闇そのもの。


ツシマの体を貫く。

一本――また一本――

そして無数に。


血が落ちる。


膝が地につく。


アズロンが近づく。

止まる。


見下ろす。


沈黙。


ツシマは――叫ばない。

折れない。


アズロンは微笑む。

今度は――賞賛の笑み。


「ここまで来ても……か」


一歩。


「いいな……」


そして――


「終わりだ」


背を向け、歩き出す。


反転


「……待て」


アズロンが止まる。

振り向く。


そこに――


ツシマが立っていた。


血にまみれ、体は壊れている。

それでも――立っている。


「……あり得ない」


闇がひび割れる。

ガラスのように。


そして――砕ける。


光の帰還


風が吹き荒れる。

光が戻る。


兵士たちは目を開ける――


そして凍りつく。


ツシマは――

膝をついていた。


体は貫かれ、血が流れ続けている。


「……隊長?」


沈黙。


「まさか……負けたのか……?」


絶望が広がる。


希望


その時――


指が動く。


「待て!!」


ツシマがゆっくりと顔を上げる。


その瞳――まだ燃えている。


そして――


立ち上がる。


震える体。

それでも――立つ。


兵士たちが叫ぶ。


「ツシマ将軍!!」


希望が戻る。


最後の決断


「……まだ終わっていない」


背後の兵士たちへ。


「下がれ。ここから離れろ」


「命令だ」


鎧が地に落ちる。


大地が――異様に震え始める。


アズロンが呟く。


「……すべてを捨てるつもりか?」


終焉


一瞬。


ツシマが消える。

次の瞬間――目の前に。


アズロンの胸を掴む。


「逃がさない」


地面を叩く――


大地が爆発する。


「ここで……共に死ぬ」


「くそっ――!!」


爆発がすべてを飲み込む。


同時描写


ハマンが振り返る。


「……ツシマの力か」


消える。


リクザが震える。


「ここまで来たのか……」


影の中――

アサーが静かに見つめている。


戦後


巨大なクレーター。


兵士たちが駆け寄る。


「隊長!!」


ツシマは倒れていた。


だが――生きている。


ハマンの到着


ハマンが現れる。


静かに見つめる。


「……この力は異常だ」


「人ではない……」


「魔物だ」


最後の言葉


ツシマが呟く。


「アズロン……黒き黎明の隊長……

だが……あれは……異常だ……

奴の狙いは……お前だ……」


意識が落ちる。


決断


ハマンは立ち上がる。


「治療しろ。死なせるな」


振り返らず去る。


「黒き黎明……」



第125話・完

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