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バル  作者: 隣の猫
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424



遠くで。


激しい音が響いていた。


ドンッ!!


雪山の向こうで。


何かが弾ける。


ノアが。


その方向を見る。


「……みんな。」


また。


ドォンッ!!


雪が。


大きく舞い上がった。


灰猫が。


ノアの前へ出る。


「下がっておれ。」


黒い霧の欠片が。


雪原を切り裂いて飛んでくる。


その瞬間。


灰猫の身体から。


淡い光が広がった。


霧が。


光に触れた途端。


弾かれる。


「猫さん……。」


「ここから先は。」


灰猫が。


目を細める。


「通さん。」


その横で。


白狐も。


戦場を見つめていた。


黒い霧。


銀色の氷。


飛び交う矢。


大剣。


大楯。


灰色の剣。


以前とは。


明らかに違う。


白狐は。


静かに目を細めた。


そして。


ノアを見る。


小さな身体。


導きの巫女。


その存在を。


白狐は。


ようやく理解した。


「……そういうことですか。」


ノアが。


白狐を見る。


「どうしたの?」


白狐は。


答えなかった。


ただ。


もう一度。


戦場へ目を向ける。


「皆、強くなりましたね。」


ノアが。


嬉しそうに笑う。


「うん。」


戦場から。


また大きな衝撃が響いた。


――ズンッ!!


ノアは。


それでも。


笑っていた。


「みんな、強いでしょ。」


灰猫が。


小さく鼻を鳴らす。


白狐は。


静かに頷いた。


その直後。


戦場から。


ひときわ大きな衝撃が響いた。


雪が。


一気に舞い上がる。


白狐が。


ノアの前へ出る。


灰猫も。


反対側へ移動する。


二匹が。


それぞれの位置についた。


これから。


戦いは。


さらに激しくなる。


だからこそ。


二匹は。


ただ。


ノアを守る。


その時。


雪煙の向こうで。


ガルドの剣が走った。


ザンッ!!


黒い外套が。


大きく裂ける。


赤い血が。


白い雪へ落ちた。


ノアの顔が。


ぱっと明るくなる。


「……入った!」


そして。


小さく笑う。


「ほら。」


「みんな、強いでしょ。」

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