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バル  作者: 隣の猫
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380/397

ドリーム



四人の虚無の使徒が。


ベスを囲む。


前。


左右。


背後。


完全な包囲。


「……。」


ベスは剣を構える。


魔を払う光。


もう一度。


刀身が淡く輝く。


だが。


四人は動じない。


一人が踏み込む。


二人目が死角へ回る。


三人目が逃げ道を潰す。


四人目が。


光が完成する瞬間を狙う。


「くっ……!」


ベスは剣を振るう。


ガキィン!!


一人を弾く。


しかし。


その隙に別の刃が迫る。


間に入ったのは。


「ベス!」


ガルドだった。


灰色の剣が閃く。


キィィン!!


使徒の剣を弾く。


「下がれ!」


「でも!」


「今は耐えろ!」


ガルドが二人の使徒を相手取る。




「お前ら!」


レオンが大剣を振り上げる。


ドゴォン!!


一撃。


虚無の使徒を吹き飛ばす。


だが。


追撃しようとした瞬間。


黒い影が背後へ回る。


「遅い。」


「っ!」


レオンは大剣を横に構える。


ギィィン!!


受け止める。


しかし。


力が重い。


足元が沈む。




アイラが矢を放つ。


風の矢。


一直線。


「ベス!」


援護。


しかし。


使徒は短剣で矢を弾く。


その瞬間。


アイラの前へ。


黒い影。


「しまっ――」


リシアの氷が間に入る。


バキィン!!


刃が氷を砕く。


「アイラ!」


「ありがとう……!」




だが。


虚無の使徒は止まらない。


一瞬。


仲間が作った隙。


それだけで十分だった。


ベスの足元。


黒い影が広がる。


「……!」


影が伸びる。


足を取る。


腕を絡める。


「ベス!」


仲間が駆ける。


だが。


届かない。


黒い霧が壁のように立ち塞がる。


「やめろ!!」


レオンが叫ぶ。


大剣を振るう。


しかし。


その前に。


影が弾く。


ガルドも。


アイラも。


リシアも。


近づけない。


ベスは動けなかった。


「……。」


目の前。


四人の虚無の使徒が立つ。


その一人が静かに告げる。


「ようやく。」


「捕まえた。」


黒い影が。


ベスの身体を完全に包んでいく。


そして。


仲間の声が。




















少しずつ遠ざかっていった。

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