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バル  作者: 隣の猫
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342/397

スタンド




大樹の神殿前。


戦いは続いていた。


森から現れる魔物。


それを迎え撃つ灰鷹。


剣が振るわれる。


矢が放たれる。


魔法ではない。


一人一人が、


積み重ねてきた力で、


押し返していく。


しかし。


倒しても。


倒しても。


魔物は止まらない。


黒い霧の奥から、


新たな影が現れる。


「……まだ来るか」


ガルドが低く呟く。


視線の先。


四つの影。


虚無の使徒。


先ほどから動かなかった者達が、


ゆっくりと歩き出す。


短剣を持つ者。


剣を持つ者。


投げナイフを握る者。


巨大な大槌を背負う者。


四人。


それぞれ違う武器。


それぞれ違う気配。


レオンは静かに剣を構える。


「地下神殿の時とは違うな」


小さく呟く。


あの時。


相手には隙があった。


灰鷹を見下していた。


だからこそ、


届いた一撃があった。


だが。


今目の前にいる者達は違う。


黒い霧を隠すことなく、


最初から纏っている。


アイラも弓を持ち上げる。


リシアは一度だけ後ろを見る。


そこには、


ノア。


灰猫。


そして灰鷹の団員達。


「大丈夫」


団員の一人が頷く。


「ノアは俺達が守る。」


リシアは小さく息を吐く。


そして。


前を見る。


守るだけではない。


今は、


戦うために立つ。


虚無の使徒達が、


それぞれ武器を構える。


黒い霧が揺れる。


風が止まる。





















そして、霧の奥で四つの殺意が同時に息を合わせた瞬間、戦場はもう後戻りのない形で動き出した。

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