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バル  作者: 隣の猫
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スバル



崩れた地下神殿。


二人は出口へ向かっていた。


瓦礫を越え、崩れた壁を抜ける。


その先に、僅かな光が見える。


外の世界。


ベスは足を止めた。


隣にいたユナも、同じように止まる。


ベスは振り返る。


「ここまでか。」


ユナは小さく頷く。


「ここまで。」


光の先を見ながら、ユナが言う。


「みんな、この先にいる。」


ベスは出口を見る。


その先には、仲間がいる。


だが今はまだ、そこへ行けない。


「なぜ来ない。」


ユナは一瞬だけ目を伏せる。


「私は、ここまで。」


ベスは言葉を飲み込む。


聞きたいことは山ほどあった。


なぜ助けたのか。


なぜ神を信じるのか。


なぜ自分を見ているのか。


だが、その前にユナが言う。


「これから、あなたの前に神の先兵が来る。」


「身喰らう蛇も、敵になる。」


ベスは拳を握る。


ユナは続ける。


「でも私は、あなたを信じてる。」


その一言だけが、静かに落ちる。


ベスは目を伏せる。


盟主の言葉が蘇る。


『俺の元へ来い。』


そしてユナの言葉。


「神を信じて。」


ベスは顔を上げる。


「神を……」


言いかけた瞬間、ユナは背を向ける。


「説明は苦手。」


少しだけ間を置き、続ける。


「ごめん。」


そして最後に。


「神を信じて。」


それだけを残し、ユナは暗闇へ消えていく。


ベスは一人、出口の前に立つ。


目の前には仲間のいる世界。


背後には崩れゆく神殿。


胸の中には二つの言葉。


『俺の元へ来い。』


『神を信じて。』


ベスは歩き出す。


まだ答えはない。




















だが、その答えを探すために進むしかなかった。

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