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バル  作者: 隣の猫
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フェルオン




光が広がる。



封印の間が消えていく。



音が遠ざかる。


身体が沈むような感覚。



次にベスが目を開けた時。


そこは、見たことのない世界だった。



空には無数の光が浮かんでいた。


夜空よりも深く。


星よりも近い。



大地は光を宿し、森は輝きを放っている。


今のバルとは違う。


遥か昔。



失われた時代。


人々は空を見上げていた。


四つの大陸。



争い続ける人々。


憎しみ合う国々。


その世界へ。


一つの光が降りる。


白く輝く神殿。



人々はその存在を神と呼んだ。


そこに立つ一人の女性。


世界を導く者。


人々へ手を差し伸べる。


争いを止めるため。



失われた未来を取り戻すため。


その隣には、一人の青年がいた。


まだ若い。



だが。


その瞳には強い意志が宿っていた。


女性の隣に立つ。


守るため。


共に歩むため。



景色が変わる。


光に満ちた街。


豊かな大地。


美しい空。


人々は笑っていた。


世界は輝いていた。



だが。


その光景に影が落ちる。


空を覆う闇。


現れる異形。


人々を襲う魔物。


崩れていく大地。


失われていく光。


世界は再び苦しみに包まれる。


女性は立ち上がる。


青年も剣を握る。


二人は世界のために戦う。




やがて。


神々が現れる。


幾つもの力がぶつかり合う。


大地が揺れる。


空が裂ける。


世界そのものが悲鳴を上げる。




それでも。


女性は立っていた。


最後の力を使う。


眩い光が広がる。


暗闇を押し返す。




灰色に染まった世界へ。


再び光が戻る。


煌びやかな夜空。



無数の輝きが世界を包む。


人々は空を見上げる。


失われたと思われた世界が。


再び蘇った。



その中心に立つ女性。


そして。


その隣に立つ青年。


光景が止まる。


女性。


青年。


二人の姿だけが、静かに残る。


次の瞬間。


別の光景が映る。


世界各地。


巨大な楔。


地へ突き刺さる光。


封じるため。


守るため。


未来へ繋ぐため。


最後の場面。


青年が女性を見つめている。


その表情に迷いはない。




決意。


守る者として。


待ち続ける者として。


石碑の光が揺れる。


そして。






















古き時代の記憶は、静かに消えていく。

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