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バル  作者: 隣の猫
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ヴィルセアン



ガルドは床を蹴った。




アイラの元へ。


一直線に走る。




あと数歩。




その足元から、黒い影が跳ねた。




「……!」


ガルドは剣を横薙ぎに振る。


キィィィン!!


黒い刃を真正面から受け止め、そのまま右へ弾き飛ばす。




続けて、二本目。


今度は下からえぐるように迫る。


ガルドは踏み込みながら剣を返し、刃筋を斜めに滑らせて受け流す。


ガギィィン!!


黒い刃が床へ逸れた。




「ちっ!」


押し返す。


もう一歩。




だが、その隙に。


ドォォン!!


アイラが吹き飛んだ。




「アイラ!」


ガルドはさらに速度を上げる。




その時だった。


カツ……


倒れたアイラへ、一人の虚無の使徒が歩いていく。




ガルドは迷わない。


アイラへ向かって踏み込む。




だが、虚無の使徒は剣を振らない。


アイラの腕を掴み、そのまま身体を起こすだけだった。




その一瞬。


盟主は、もうリシアの前にいた。




「リシア!!」


ガルドは床を蹴る。




一撃目。


盟主の黒い刃が、リシアの正面から振り下ろされる。


キィィィン!!


リシアが長剣の氷剣で受け止める。




二撃目。


返す刃が、今度は横から襲う。


キィン!!


リシアは短剣の氷剣に持ち替え、刃先を外へ流す。




三撃目。


盟主の刃が、逃げ道を塞ぐように迫る。


リシアは氷を走らせ、防壁を作ろうとする。


だが、間に合わない。




「っ!」


ガギィィィン!!


灰色の刃が横から割り込んだ。


ガルドが、三撃目を真正面から受け止める。




衝撃。


地下神殿が震える。




ガルドはそのまま一歩踏み込み、リシアの前へ滑り込む。
























灰色の剣を両手で握り締めたまま、盟主を睨み返していた。

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