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バル  作者: 隣の猫
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278/404

オルネリア



地下神殿。


崩れた回廊を、


三人は静かに進んでいた。




先頭を歩くレオン。


その背には、


意識を失っていたリシアがいる。


アイラは少し後ろを歩き、


周囲へ視線を向けていた。


崩れた壁。


砕けた石床。


長い年月を感じさせる黒い石の回廊。




「……。」


レオンは歩みを止めない。


リシアを背負ったまま、


慎重に足を進める。


その時。


背中から小さな声がした。


「……レオン。」


レオンが足を止める。


「リシア?」




ゆっくり振り返る。


リシアが目を開けていた。


「ここは……。」


「地下神殿だ。」


レオンが答える。


リシアは周囲を見る。


崩れた柱。


落ちた瓦礫。


そして。


自分が背負われていることに気付く。


「すみません。」


「気にするな。」


レオンは小さく笑う。


「無事ならそれでいい。」




リシアはゆっくり身体を動かす。


足は動く。


剣も握れる。


だが。


身体の奥には重い疲労が残っていた。


あの時使った力。


白銀の加護。


確かに自分の中にある。


でも。


今はまだ。




「私……。」


リシアが口を開く。


その瞬間。




三人の前に、


大きな空間が広がった。


そして。


その先。


巨大な石扉があった。




その前に。


一人の影が立っている。




アイラが息を呑む。


「……虚無の使徒。」


その姿。


その力。


その場所。


そう判断するには十分だった。




レオンは静かに剣へ手を掛ける。


リシアも剣を抜く。


まだ身体は戻っていない。


加護も使えない。


それでも。


戦える。




三人は互いを見る。


短い時間。


それだけで意思は伝わった。




アイラが弓を構える。


目から血が垂れる。


風を見る。


距離を見る。


相手の動きを読む。


レオンが踏み込む。


リシアが続く。


























三人の動きが重なる。

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