表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バル  作者: 隣の猫
PR
252/417

エルネリス



地下神殿は静まり返っていた。


黒い石で築かれた長い回廊。


高い天井を支える巨大な石柱。


どれほど昔に造られたのかも分からないその空間には、崩落の跡こそあるものの、神殿そのものは揺るぎなくそこに在り続けていた。


ガルドはゆっくりと歩く。


足音だけが規則正しく反響する。


頭の上では灰猫が丸くなり、尻尾だけをゆっくりと揺らしていた。


「……。」


ガルドは立ち止まる。


空気が変わった。


冷たい。


肌を刺すような殺気ではない。


もっと静かな、底知れない気配だった。




コツ……。


石床を踏む音が一つ。


暗闇の奥から、一人の影が姿を現す。


黒い外套。


黒い仮面。


腰には一本の剣。


歩幅も。


姿勢も。


剣へ添えた手も。


何一つ変わっていなかった。


ガルドは静かにその姿を見据える。


影もまた歩みを止める。


互いの距離、およそ二十歩。


誰も剣を抜かない。


長い沈黙だけが流れた。




やがて。


黒い仮面の奥から声が響く。


「さて。」


静かな声だった。


「答えを聞こうか。」


ガルドは何も言わず目を閉じる。


答えは、もう決まっていた。




ガルドはゆっくりと右手を腰へ添える。


静かな抜刀。


澄んだ音だけが地下神殿へ響き渡る。


その刃は、何より雄弁に答えを示していた。


クロムは小さく頷く。






















何も言わず、静かに剣を抜く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ