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バル  作者: 隣の猫
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233/404

ラディエル



眩い光が、雪原を満たした。


狐の姿は静かに溶けるように光となり、リシアを優しく包み込む。


「その優しさを。」


「最後まで貫きなさい。」


穏やかな声だけが残り、


世界は白く染まった。




次の瞬間。


リシアは目を開く。


黒い刃は目前。


ほんの一瞬前まで、自分の命を奪おうとしていた一撃だった。


だが。


身体が自然に動く。


キィィィン!!


細身の剣が黒い刃を流す。


同時に。


左手へ冷たい感触が宿る。


白銀の光が集まり、


一振りの氷剣が静かに形を成した。


「……。」


驚く暇もない。


右。


左。


正面。


三人の虚無の使徒が同時に襲い掛かる。


リシアの身体は自然と動いた。


右手。


左手。


二本の剣が舞う。


キィィィン!!


ガギィィン!!


甲高い剣戟が地下神殿へ響き渡る。




三方向。


今までなら押し込まれていた。


だが今は違う。


右の刃を流し、


左の剣で二人目を受け、


身体を回転させながら三人目を弾く。


止まらない。


淀みもない。


まるで昔から二刀を振っていたように、


身体が自然と答えを知っていた。




虚無の使徒が初めて間合いを取る。


仮面の奥から静かにリシアを見つめる。


「……加護。」


短い一言。


その直後、


三人同時に踏み込んできた。


速い。


だが。


もう遅れない。


キィィィン!!


三本の黒い刃が、


白銀の二刀によって次々と弾かれていく。




リシアは攻めない。


いや。


攻められない。


隙がない。


一人へ踏み込めば、


残る二人の刃が届く。


だから。


守る。


流す。


弾く。


その繰り返し。


「……。」


誰一人。


自分の後ろへ通さない。


それだけだった。




キィィィン!!


剣戟が地下神殿へ響く。


天井から細かな砂が静かに舞い落ちる。


三人の虚無の使徒。


白銀の二刀。


均衡。


その均衡は、


今ようやく保たれた。


しかし。


勝負はまだ動かない。


リシアは守れる。


だが、
























倒す術はまだ持っていなかった。

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