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バル  作者: 隣の猫
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ディスノ



魔物の群れは尽きることを知らなかった。


一体倒せば、


その奥から二体。


三体。


黒い波となって灰鷹へ押し寄せる。


「ははっ!」


レオンは笑っていた。


「その程度か!」


巨大な大剣が横薙ぎに振り抜かれる。


数体の魔物がまとめて吹き飛び、柱へ激突した。


鈍い衝撃が神殿中へ響く。


天井から細かな砂埃が舞い落ちた。




「レオン!」


アイラの声が飛ぶ。


その瞬間。


死角から飛び掛かった魔物の額へ一本の矢が突き刺さる。


魔物は勢いのまま床を転がった。


「助かった!」


「前だけ見て!」


アイラは次の矢を番える。


一本も無駄撃ちはない。


灰鷹が戦いやすい位置だけを正確に射抜いていく。




その頃。


リシアは魔物を斬り伏せながら仲間たちの間を駆け回っていた。


「腕を貸して!」


傷付いた団員を支える。


その横へノアが駆け寄る。


「任せて!」


小さな手から柔らかな光が溢れる。


裂けた傷口は完全には塞がらない。


それでも血は止まり、痛みが和らいでいく。


「ありがとう。」


団員は再び武器を握り直した。


「まだ戦えます!」


リシアは安心したように微笑む。


「無理だけはしないで。」




ガルドは相変わらず最前線だった。


一歩。


また一歩。


魔物を倒しながら確実に道を切り開く。


その後ろへ灰鷹が続く。


「右!」


ベスが叫ぶ。


同時に獣爪で魔物を弾き飛ばす。


ガルドの剣が一閃。


二人の呼吸は完全に噛み合っていた。


「いい動きだ。」


ガルドが短く言う。


ベスは小さく笑う。


「ありがとうございます。」


そのまま再び魔物の群れへ飛び込んだ。




しかし。


二人の虚無の使徒は、まだ動かない。


ただ静かにベスだけを見つめ続けている。


その様子にアイラが小さく呟いた。


「何を待っているの……。」


答える者はいない。




戦いが続く。


巨大な魔物が柱へ叩き付けられる。


床が大きく震えた。


レオンの一撃が石畳を砕く。


再び神殿が揺れる。


アイラの矢が柱を掠め、


石片が床へ散らばった。


戦いの激しさに比例するように、


神殿のあちこちへ少しずつ傷が増えていく。


誰も、それを気にする余裕はなかった。


その視線の先にあるのは、



















迫り来る魔物だけだった。

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