表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バル  作者: 隣の猫
PR
196/417

レグナ



戦いはさらに激しさを増していた。


魔物は倒しても倒しても押し寄せる。


黒い霧の向こうから、新たな群れが姿を現す。


「まだ来るか!」


レオンの大剣が唸る。


アイラの矢が風を裂く。


ベスも獣のように低く踏み込み、剣だけで魔物を斬り伏せていく。


フェンリルはまだ使わない。


一撃一撃を確実に積み重ね、仲間たちと前線を維持していた。




その時だった。


巨大な魔物がレオンの一撃で吹き飛ぶ。


ズゥン!!


巨体が湖畔へ倒れ込み、大地が大きく揺れた。


石畳が軋み、


水面が大きく波立つ。


「きゃっ!」


ノアが思わずよろめく。


リシアがその肩を支えた。


「大丈夫?」


「う、うん。」


揺れはすぐに収まる。


だが。


ノアだけは水面を見つめたまま動かなかった。


「……あれ?」


波立つ湖の底。


一瞬だけ。


白い石のようなものが見えた気がした。


「リシア。」


「湖の下に何か——」


その瞬間。


一体の魔物が横から飛び掛かる。


「ノア!」


リシアは一歩踏み込み、細身の剣を抜く。


鋭い一閃。


魔物の爪を受け流し、その勢いのまま体勢を崩す。


「今です!」


ベスがすぐさま飛び込み、魔物を斬り伏せた。


「無事か。」


「うん!」


ノアはもう一度湖を見る。


しかし波紋が広がり、


白い石はもう見えなかった。


「気のせい……だったのかな。」


灰猫だけは静かに湖を見つめ続けていた。




その様子を。


五人の虚無の使徒も見逃してはいなかった。


一人が湖へ視線を向ける。


「……。」


別の一人が小さく呟く。


「おや。」


中央の虚無の使徒が僅かに目を細めた。


「……あれは。」


五人の視線が同時に湖へ集まる。


そして。


五人が寸分違わず同じ言葉を口にする。


「もしや。」


互いに視線を交わす。


初めてだった。


彼らの表情へ、わずかな興味が浮かんだのは。




中央の虚無の使徒が静かに前へ出る。


右手をゆっくりと湖へ向ける。


ガルドの目が鋭く細まった。


「ベス!」


「来るぞ!」


ベスが振り返る。


黒い魔力が掌へ集まり始めていた。


今度の狙いは結界ではない。


湖そのもの。


虚無の使徒は静かに呟く。


「確かめよう。」


次の瞬間。


















漆黒の一撃が、オアシスへ向かって放たれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ