21.VSガラパゴスゾウガメ その4
:フィフスレベルの条件って何?
:フォースがエリアボス狩猟、フィフスは複数エリアのボス狩猟
:え? エリアボスの十連捕食じゃないの?
:色んな条件あるらしいけど、少なくとも十連はデマ。
:ふざけんな、あと一回で十連なのに!
:すげえ頑張るじゃん。どこエリア?
:山脈
:雷大鷲を九連狩猟してんの!? 草原と砂漠行け。たぶんお前なら瞬殺できるから。
:おいおい、草原と砂漠を馬鹿にしてんのか。
:馬鹿にしてないけど、そこ二つは攻略法出来上がってんじゃん。
:まあ、挑戦者と勝利数が桁違いだからね。
:たいして強くないのにフォースになれちゃう草原エリアの諸君。
:お前どこエリアだ。イベントに乗じて食い殺してやるから。
:北極です。
:あ、何でもないッス。
:芋ひいてんじゃねえよw
:北極は別じゃん。あいつら頭おかしいよ。なんで砂漠に城が出来てんだよ。砂でなんで城が作れるんだよ。
:あー、建設モグラさん。今回は砂漠行ったんだ。
:有名?
:海水で城を作ったのが伝説。知ってる? あれでセカンドレベルだよ。
:北極はおかしい。
:火山も大概だと思ってたけど、北極は極地。
:極地だもんね。
:あいつらがフォースレベルスキルとかフィフスレベルスキル使い始めたら終わりだと思う。
:フィフスレベルスキルってなに? 私も山脈のアニマルなんだけど、フィフスレベル見たことなくて。
:環境破壊のフィフスレベル。
:ぶっこわれってこと?
:いや。環境を破壊する。そのままの意味で。
:えーっと?
:他エリアの環境を混ぜた混沌とした環境を呼び出すの。草原の大地に大海原の嵐と砂漠の砂合わせて嵐砂高原とか。
:デカ亀さんの十八番じゃん。
:北極の吹雪と火山の噴火と山脈の雷を混ぜられるってこと!?
:理論上はそう。
:北極のエリアボスが未狩猟なのと、火山のエリアボスが一匹にしか倒されていないことを踏まえると、まあ現状誰にも出来ないこと。
:まって、パンドラちゃんが他のエリアボス倒したら、どこでも火山出来るってこと?
:パンドラちゃん最強伝説が始まる。
:そんなパンドラちゃんも北極じゃあ為す術なくやられてましたね。
:北極クオリティ……。
☆ ☆ ★ ☆ ☆
【 フィフスレベル「嵐砂高原」 】
何その技。格好いいんだけど。
ゲームタイトルが技になってんの? やば。いかしてる。
フィフスレベルスキルってことだけど、どんな技なんだろう。
称号「ラプラスの悪魔」があればどんな攻撃だって避けることが出来ると思、う、け……ど……。
「なにこれ! ぶべらぁ!」
「フォッフォッフォッ! 飛べ飛べ吹き飛びなされ!」
砂嵐が巻き起こる。ただの風なら問題ない。けど砂が混ざるせいで視界が覆われる。
それだけじゃない。吹き付けられる砂が身体を削ろうとしてくる。
まるでサンドブラスト。錆び取りじゃあないんだから!
しかもそれが、ドーム内全域に広がっている。やばい。予知したところで逃げ場がない。
砂嵐で浮いた身体がドームの壁に向けて飛ばされる。
「こんぬおぉぉおぉぉおぉぉ!!」
ギリギリ回避。翼を広げて一瞬だけ飛行。壁に転がりながら不時着。痛みはあるけど、動けないほどじゃない。
「環境ごと変えてしまうフィフスレベルスキルじゃが、当然わしもその環境に晒される……じゃが、ワシにとってこの程度の環境は、普段と変わらんのじゃよ」
悠然と歩を進める亀さん。
砂嵐をものともせず、まるでそよ風の中を歩くように、のっそのっそと歩いて来る。
なんなら欠伸もしよる。完全に舐めてる馬鹿にしている。
こっちは風のせいで碌に立つことも出来ないのに、むかつく。
同じ方向から吹いて来るならまだいいけど、砂嵐は海流よりも激しく姿を変え続ける。
「さあ、終わりじゃ」
見上げるほどの巨躯。
私からすれば動く城塞と同じ。それほどまでの体格差。
身体の大きさは力の大きさ。自分より大きい動物と戦う生き物もいる。
だけど私にコブラのような毒はない、ラーテルのような強靭な皮膚も持たない、蜘蛛のように狡猾な罠も作れない。
前脚が持ち上がる。
大地と共に圧し潰そうと、巨大な影が私に降りかかる。




