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 などと頭の中で中二病を満喫してから、美雪と概念テレパシーで会話した。それによると、真南3キロの上空1キロに直径10メートルの輝力的を創り、的を含む形状に防音防風壁を拡大しても、他の飛行車に危険は及ばないという。また俺と晴を含む408人の安全を確保し、学校の敷地全体を防音防風壁で囲めば、マッハ60矢を放つことを軍のメインAⅠは許可したそうだ。とはいえ軍のメインAⅠが許可しようと始末書を書くことは、もちろんあるけどさ。

 まあそれは置き、かくして俺の準備は整った。丁度30秒経ったことだし、407人の安全確認に入る。広場の北東の際に避難した男子と男性教官の計203人と、広場の北西の際に避難した女子と女性教官と晴の計204人の下に、輝力分身を1体ずつ瞬間移動させる。続いて教え子たちに、施した衝撃波対策を報告させた。それによると、名家巡りで行っている安全対策を忠実に守ったらしい。アカシックレコードを見ても衝撃波の被害者は0人だったので、残り10秒でカウントダウンを出すことを伝え、2体の輝力分身をそのまま待機させた。

 真南3キロの上空1キロに当たりを付け、直径10メートルの輝力的を創ってみる。美雪のテレパシーで調整し、ピッタリの場所に的を固定した。それを内側に取り込むよう、防音防風壁を拡大する。2体の輝力分身にテレパシーを送り、的の方角と距離を生徒達に説明させる。続いて美雪に頼み、残り10秒のカウントダウンを出してもらった。俺は落ち着いて矢をつがえ、それを引き絞っていく。アカシックレコードで矢の軌道を確認したところ、防音防風壁で囲み無風にしたのが功を奏し、放物線の向こう側を的の中心に容易く合せられた。そしてカウント1で輝力圧縮1500倍を発動。38倍強に伸びた時間の中、アカシックレコードで矢の的中する未来を確定させてから、俺は矢を放った。


 ズッッッバアアア―――ンンン―――・・・・


 凄まじい衝撃波が俺を襲った。俺は慣れているが、初体験の子供達にこれは危険なはず。密封した防音防風壁の内部ということもあり、耳を手で押さえていようと鼓膜が破れることを免れなかっただろう。まあでも、俺の輝力分身を控えさせているからそれは心配ない。強力無比な防音防風壁で、子供達を包んでいるからね。それでも大きく波打つ地面と爆風に荒れ狂う木々によって、衝撃波の凄まじさを感じてもらえたみたいだけどさ。

 という訳で行動を先へ進めよう。

 輝力的の中心を射抜いた矢を見つめつつ、人的被害と物的被害の有無を美雪にテレパシーで尋ねた。美雪によると、どちらも無いそうだ。

 それと並行し4人の教え子たちへの指示を、テレパシーで輝力分身に伝えた。指示は二つあり、一つは弓の戦術的価値を仲間達に説明すること、もう一つは矢と自分を輝力紐で繋ぐ技術を仲間達に説明することだ。どちらも名家巡りで教えているから、大丈夫だろう。

 同じく並行し、教官達への挨拶を晴にテレパシーで頼んだ。文句を言われると思ったが、快く引き受けてくれた。晴が大人になって嬉しいような、寂しいようなだな。

 などと兄バカになりつつ、防音防風壁と輝力的を解除する。輪に感謝を述べ、準四次元に仕舞う。美雪と美咲に、テレパシーではなく声で語りかけた。


「美雪、美咲、そろそろ帰ってお昼にしよう」「はい」「は~い」


 子供達と教官達から見えないのをいいことに、美咲が胸元に現れた。頭を撫でて可愛がっているうち、こちらに走ってくる晴の足音が背後から聞こえてきた。2体の輝力分身も、それぞれの意志で既に消えている。予定終了時刻を2分ほど過ぎてしまっているし、早く退散すべきだろう。美咲にペンダントへ戻ってもらい、俺は回れ右をした。

 隣に並んだ晴にお礼を述べる。続いて遠くにいる子供達と教官達へ、揃って敬礼した。


「師匠、ありがとうございました!」「「「「師匠、ありがとうございました!!」」」」


 天風の筆頭男子が音頭を取り、全員で謝意を示してくれた。今日は教え子が396人増えた、まこと良き日となった。俺はニコニコ顔で頷き踵を返す。そして足取り軽く、カレンへ歩を進めた。


 教導隊の仕事は、午後にもう一つ残っている。とはいえ開始時刻は約3時間後の午後2時だし、また代役の俺は晴と異なり教導隊本部に顔を出さなくて良いらしい。俺は3時間を、基地で過ごすことにした。

 カレンが能力全開でカッ飛び、数分で基地に着いた。50分に満たないが、訓練しますか。輝力圧縮1500倍で体をほぐし、その圧縮率のまま闇族と戦った。

 俺はここ数年、最大輝力圧縮率の増加が著しい。20歳の戦士試験合格時は、1500圧に到達するのは60代序盤と予想していたのに、15年以上前倒しで成してしまった。それは間違いなく、子供達と子竜達のお陰。最大輝力圧縮率の急増加が始まった時期と、名家巡りと散山脈諸島通いを始めた時期が、ピッタリ重なるからだ。子供達と子竜達の成長を助けた報いとして成長の機会を俺は与えられ、運良くそれを逃さなかった。それにより、脳が耐えうる最大輝力が増加した。そう実は、過度の輝力を脳に照射すると、脳は耐えられず焼き切れてしまうのである。古代アトランティスにいた光の子を間近で直接見たら、肉体が耐えられず死んでしまうのと同じだね。

 まあそれは置き、闇族との戦闘を俺は次々こなしていった。


 訓練を終え、昼食を摂る。その終盤、昇と鷲と橙からメールが届いた。三人の代役のお礼が綴られたメールに、「気にせず勉強に励め」と返信した。

 昼食を終え、歯を磨きシャワーを浴びる。午睡を終えたら次の学校へすぐ向かえるようにしたのだ。美雪によると、午後1時45分まで寝られるらしい。利便性を考慮し、今日は体育館のベッドで午睡を取ることにした。

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