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復興のホーランジア

「…そんなオウギ様!。…そこまでしていただくのは…」

 慌てたようなエリザベスの声が響く。場所はホーランジアの街中。ハルザーク家との戦いで街は少なくない範囲が瓦礫となっていた。そのことを知ったオウギが手伝いを買って出たのだ。当然オウギだけでなくユーリ、更にはアネッサも手伝いを始める。


「こういうのは出来る人がやるべきです。幸い僕には魔法がある。普通より早く作業が出来ますから。」


「オウギ様、私は何をすればいいですか!。」


「オウギさん、私は何をすればいい?。」

 オウギに指示を仰ぐユーリとアネッサ。オウギからの指示に従い細々としたものの整理に努める。2人はオウギに尽くすことに喜びを感じていた。


「…なんて高潔な方。…では私も!私も回復魔法以外にも心得はあります。」

 エリザベスもオウギに倣い大きな瓦礫などを魔法で除去していく。初めは領主の娘直々にそんなことをされるのは恐れ多いと止めに入っていた住人と兵士も額に汗して働くエリザベスを見て、こんなことをしている場合ではないと更に熱心に作業を始めるのだった。


 住人達の献身的な働きによって復興は速やかみに成されていく。更にザラスは大公家の食糧備蓄庫を解放。無料で住人に振る舞った。ホーランジアは驚くべき速さで片付けが済んでいく。そして五日が経った時瓦礫の撤去は終わり仮設の住宅が建ち始める。


「…ふぅ、ここまでくればあとは専門の方に任せた方が良いですね。僕には出来ることはここまでです。」

 街並みを見て歩いていたオウギが一言そう呟く。家の建築などは知識がない者がした場合耐久性に問題が出る可能性がある。なので初めから片付けを目的として行動していたのだ。


「オウギ様、本当にありがとうございます。ユーリさんもアネッサさんもありがとうございます。ホーランジアは必ず蘇ります。前より立派な街になります。」

 エリザベスが改めて礼を言う。実際オウギには言葉で表すことが出来ないほど世話になっている。いつかはこの恩を返してみせると誓うエリザベスである。


「それはよかった。…んー、…流石に連日あれだけ魔法を使うと…疲れますね。僕は少し休ませてもらって構いませんか?。」

 エリザベスに微笑むオウギ。するとひと段落ついた開放感からか体に淀みが生じていることに気付く。魔法の使い過ぎで体の中の魔力と気の流れが乱れていた。それによって体に痺れもでている。通常の魔法使いであれば五日もぶっ続けで魔法は使えないし使えたとしてもその後しばらく、まともに動けなくなる。オウギの場合でも休養が必要なようである。


「勿論です!。…ノードルマン邸でゆっくり休んでください!。」


「ユーリとアネッサさんはどうしますか?。」


「…あの、私はティーシャさんとお買い物に行く約束をしているんです。ですからご一緒出来ません。申し訳ありませんオウギ様。」


「いや、別に謝らなくても良いよ。そうか、お金は持ってる?。」


「オウギ様、恐らく代金の方は母が持つと思いますので…。」


「…私はザラスさんが時間をとってくれるとのことですのでそちらに向かいます。」


「そっか、鬼人族のことを話さないといけないんだよね。大丈夫?僕も行こうか?。」


「いえ、これは私がすべき事です。オウギさんはその道を作ってくれた。ここまでしてくれたのに更に頼ってはこの角が恥じます。」


「分かった。じゃあまた後でね。」

 オウギがそう言うとユーリとアネッサは頭を下げその場を後にする。この場にはオウギとエリザベスだけが残った。


「エリーは良いのかい?。」


「はい、この街を救ってくださった英雄をほったらかしにしてはノードルマン家の恥ですから。オウギ様がお休みになる部屋までご一緒させていただきます。」


「…よろしく頼むよ。」

 嵐が過ぎたホーランジアの街。少しずつその日常を取り戻していく。

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