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ロストテクノロジーは誰のためにあるのか  作者: 維岡 真
第1章 ”零を探せ” 第7節 前夜祭

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確保

バリアの中で、複数の勢力の動きが、完全に制限されていた。


吾妻は、刀を握ったまま、動くことができない。虺竜文の勾玉の光も、ほぼ消滅していた。クリス・レイシアのケルト神話の魔物の影も、かすかなものになっていた。相模の古い白い力も、わずかなものにまで縮小していた。


全ての勢力が、その制限の中で、身動きが取れない状態に陥っていたのだ。


俵屋と魔泉道は、バリアの中心で、静かに立っていた。


彼らの動きは、制限されていない。


それは、このバリアが、彼ら自身が張ったものであり、彼ら自身は、その制限外にいるということを意味していた。


虚西は、その中で、次第に追い込まれていった。


彼の白い光が、バリアに吸収され始めたのだ。


その光が、消え始めた。


俵屋が、虚西に向かって歩み始めた。


その歩みは、確実で、迷いがない。


「虚西コウ」


俵屋が、低く呟いた。


「長い間、待っていた。この日を」


虚西は、その言葉を聞いても、何も言わなかった。


ただ、その瞳が、わずかに動いた。


逃げようとする動き。


だが、バリアが、その動きを制限した。


俵屋は、虚西に近づいた。


その手が、虚西の身体を掴もうとした。


虚西は、その手に対抗しようとした。


だが、彼の白い光も、もはや十分な力を持っていなかった。


バリアに制限された状態では、彼の力は、半減以下になってしまっていたのだ。


魔泉道が、虚西の背後に現れた。


彼の白く濁ったような霊気力が、虚西を包囲し始めた。


それは、拘束の力だ。逃げられない。動けない。そういう力だ。


虚西の身体が、完全に拘束された。


その瞬間、俵屋が、低く呟いた。


「ピースが揃った」


その言葉は、勝利を意味していた。


長い間の計画が、ついに実を結ぶ瞬間。


志乃は、その光景を見ていた。


彼女は、バリアの中で、完全に動けなくなっていた。だが、その瞳は、虚西を見つめ続けていた。


虚西の白い光が、完全に消え始めた。


彼の力が、魔泉道の拘束に吸収され始めたのだ。


吾妻は、その動きに気づいた。


「虚西が」


吾妻は、声を発した。だが、その声も、バリアに制限されていた。


虺竜文は、その光景を見て、激怒した。


「何だあれ。虚西が。逃げろ。何やってんだ」


だが、虺竜文の叫びも、バリアに吸収された。


彼は、動くことができない。


クリス・レイシアは、その状況を見ながら、何かを計算するような表情を浮かべていた。


相模は、ただ、その光景を見守っていた。子どもっぽい口調で、彼は呟いた。


「君は、連れていかれるんだ」


その呟きは、誰に向けられたものなのか、不明だった。


俵屋と魔泉道は、虚西を拘束したまま、白塔の入口へ向かい始めた。


複数の勢力が、その動きを見守ることしかできなかった。


吾妻は、その動きに対抗しようとした。


「待て。虚西を放せ」


吾妻は、刀を抜こうとした。


だが、バリアが、その動きを完全に制限した。


彼の身体が、動かなくなってしまったのだ。


虺竜文は、その制限に激怒し続けていた。


「くそ。何だこれ。解放しろ。俺を解放しろ」


虺竜文の叫びは、バリアに吸収され続けた。


俵屋と魔泉道は、虚西を連れて、白塔の入口へ到達した。


その時、白塔の入口が、大きく開き始めた。


古い木製の扉。その奥には、暗闇が広がっていた。


更に古い。更に深い場所へ通じる通路だ。


俵屋が、虚西を導きながら、その通路へ向かい始めた。


虚西は、その過程で、一度だけ、志乃の方を見た。


その瞳には、何かがあった。


確認。あるいは、別れ。


その瞳の光が、消えていった。


魔泉道が、虚西を拘束したまま、白塔の奥へ消えていった。


俵屋が、最後に、白塔の周辺に立つ複数の勢力を見回した。


その視線には、何かの確認がある。


「四天王たちよ」


俵屋が、低く言った。


「お前たちも、ここで待ち続けよ。全てが終わるまで」


俵屋が、白塔の入口に手をかけた。


その瞬間、バリアが、さらに強化されました。


複数の勢力の霊気力が、完全に制限されてしまったのだ。


吾妻は、その中で、なお、何かを模索し続けていた。


だが、彼の手段は、残されていなかった。


白塔の入口が、ゆっくりと閉じ始めた。


その奥に、虚西コウの姿が、消えていった。


志乃は、その光景を見つめながら、声を失っていた。


虚西が、いなくなってしまった。


バリアの中で、複数の勢力が、その瞬間を見守ることしかできなかった。


白塔の前で、バリアだけが、全てを支配していた。


その中に閉じ込められた複数の勢力。


白塔の奥へ連れ去られた虚西コウ。


全ての事象が、TEBESの計画の中で、一つに収束していったのだ。

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