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白雪と7人の極道たち  作者: 白 月虹


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8/9

8話 不穏の前触れ

本作はフィクションです。

登場する団体・人物はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

物語としてお楽しみいただければ幸いです。

――数日後。


「宿題が全然減らなーい!」


「そりゃやらないからだろ。」


白雪の家で、洸と碧と三人で夏休みの宿題をしている。


「はぁ、今日本当は、芽莉ちゃんと図書館の予定だったのになー…」


「残念だね〜。芽莉ちゃん、たまに家の事情でドタキャンするよね。」


「うん…でも家の手伝いって言ってたから、お店でもやってるのかな?」


「俺らと一緒だったりして~」


冗談混じりの洸だったが、碧が提案する。


「うちで調べてやろうか?」


「っそんな事しないで!知られたくない家庭の事情はあるの!」


家の事で苦労していた白雪だったからこそ、一番理解が出来た。


そんな騒がしい中に、襖が大きく開かれた。


「学生は楽しそうですね。」


「っ!灰月!?」


碧がすぐに気づいた。


「こんにちは灰月さん。今日も父の手伝いですか?」


「……。」


呂唖の視線は一瞬、鋭く白雪に向けられる。


「白雪ちゃん。…呂唖くん、婿候補だよ。」


洸が耳打ちする。


「え!すみません。知らなくて…」


「白雪さん、すぐ出て行ったもんね。」


呂唖の口元が、僅かに歪む。


「……ぅ。すみません。」


「構いませんよ。どうせ貴方は何も知らないんだから。」


棘のある言い方の呂唖。


「……。」


「親父さん待ってるんじゃねーの?」


碧が、さりげなく白雪の前に立つ。


「…ええ。そうですね。組長に怒られちゃうので行きます。今日は挨拶だけで…。」


一礼すると、呂唖は出て行った。


「…なんか、私したかな?…。」


「呂唖くんとも遊びたいな〜。」


「は?お前、物好きだな!」


白雪は何かが引っかかって、二人の軽快な会話に入れなかった。


━━━━━━━━━━━━━━━


白雪は一人、本屋から出てくる。


(参考書あって良かった~…帰りにケーキ買っちゃおうかな〜)


「ねーねー、おねーさん!」


知らない男二人組が、白雪の肩を叩く。


「わっ!…なん、ですか?」


嫌悪感でいっぱいの眼差し。

でも二人組は全く気にする様子もなく、続けた。


「僕たちと、遊びに行かない?」

「夏休みでしょ?たくさん遊ぼうよ!」


「結構です!宿題やらないとけないので!」


真剣に言うと、二人組はバカにしたように笑う。


「あははは!真面目だな〜。」

「こんな真面目な娘が、跡取りって!」


その言葉に違和感を覚える。


「え?…跡取り?」


「あ!やべ!」


二人組の後ろから、緑の髪の男が頭を叩く。


「あははは~。バカかお前は。」


単調な物言い。


「す、すみません。」


三人目の登場で、嫌悪感は更に募る。


「お前らもういいよ。」


「あ、はい。」

「すみません!」


二人はバタバタと逃げるように、その場を後にする。


「なんですか?」


警戒する白雪に、掴めない男はニコニコするばかりだった。



つづく。


挿絵(By みてみん)


灰月(はいづき) 呂唖(ろあ)

176cm 20歳

傘下の組の組員。

父親は、近藤組の組員で抗争に巻き込まれて死んでいて、組を恨んでいる。

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