7話 緊張と緩和
本作はフィクションです。
登場する団体・人物はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
物語としてお楽しみいただければ幸いです。
晴天の空、キラキラ光る海、白い砂浜。
今、白雪たちは海に来ている。
「…わぁ。すごーい!」
「海、キレイだね!」
「うん!」
白雪と芽莉が話していると、後ろから洸の声が聞こえる。
「おーい!
白雪ちゃーん、芽莉ちゃーん!」
「洸くーん!」
芽莉と洸が大きく手を振り、男三人が合流する。
「白雪ちゃんも芽莉ちゃんも、水着似合う!可愛いね!」
「ありがとー!」
そんな会話を三人がしている中、碧と暁斗は白雪に釘付けだった。
(かわいい!なんだあれ!持って帰りたい!)
(お嬢の水着…お嬢の水着…お嬢の水着……)
そんな二人が同時に一点を睨みつける。
「…暁斗。」
「はい。」
その先には――
「風我さーん。突入の準備出来ました。」
「んー。」
「どこ見てるんすか?」
「んー…未来の嫁?でも、中々大変そうだわ。」
「はあ…?行きますよ!」
「出遅れちゃったなー。…まぁいいか。くくく。」
その場から風我たちが居なくなると、碧と暁斗は緊張を解いた。
「…翠葉は気をつけた方がいい。」
「そうですね。」
しばらく沈黙する。
「二人ともー!早くおいでよー!」
白雪に呼ばれ、二人は何事もなかったかのように歩き出す。
その表情は、いつもの穏やかなものに戻っていた。
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海から帰り、白雪と暁斗が屋敷に入る。
「楽しかったね〜」
「はい。」
そんな会話をしていると、廊下で二人の男と出くわす。
「おや、白雪さん。お久しぶりです。」
一礼する、中年の男。
「藤塚さん!こんにちは。」
「明日、組主催の集まりがあるそうで、そのお花を生けに来ました。」
「そうなんですね!ありがとうございます。
いつも素敵で、心が落ち着きます。」
「ふふ。ありがとうございます。
あ、あと…千里、ご挨拶を…」
「はい。…千里と申します。」
(あ、左右の瞳が違う。綺麗…)
伏せたままの瞳を、白雪は気づいた。
「千里は、白雪さんの婿候補ですよ。」
「そ、そうなんですか。すみません知らなくて…」
慌てて一礼する白雪に、千里は視線を向けて、またすぐ伏せてしまう。
「っ千里。ぼうっとするな!」
「す、すみません。」
千里も慌てて頭を下げた。
「全く、出来の悪い息子で…」
「……。」
「では、また。今度は家に遊びにいらして下さい。お花を見て欲しいです。」
「はい。喜んで!」
一礼すると、その場から離れて行った。
(あの人…なんだか窮屈そう…。)
小さくなる千里の背中を見ながら、白雪は思った。
つづく。




