表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白雪と7人の極道たち~この中から婿を選べと言われても嫌です。~  作者: 白 月虹


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/33

23話 終わらない関係

本作はフィクションです。

登場する団体・人物はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

物語としてお楽しみいただければ幸いです。

人気がない所へ来ると、千里はぽつりぽつりと話し始めた。


「僕は…父の、言う事を聞くのが当たり前だった。でも、花は好きなんだ。

実は、婿、候補は、白雪さんのお父さんからの提案だった。」


「え…?」


驚く白雪に、くすっと微笑んで続けた。


「僕が父に叩かれた日、白雪さんのお父さんに、婿候補を辞退します。って言ったんだ。そうしたら…」


――『そうか。千里が決めたのか。お前は少し生きづらそうだったからな…良かった。』


「白雪のお父さんは、小さい頃から僕を見ててそう思ってたらしくて…白雪さんと付き合えば、何か変わるかもって。」


「そんな…私何も出来ないのに…。」


「ううんそんな事ないよ!僕は勇気を貰ってる。それに…」


千里はふわりと白雪を抱きしめる。


「千里さ――」


「ちょっとだけ……」


千里の心に淡く灯った何かを、白雪にそっと返すように。


「…良ければ、友達になって欲しいな。」


「…はい。もちろん!」


「ふふふ。ありがとう…。」


千里が体を離すと、二人は微笑み合う。

飲み物を手にした朱月が戻って来る。


「…飲み物買って来た。」


千里と朱月は目が合うと、小さく頷く。


「そろそろ閉園だって。…帰るか。」


「もうそんな時間…そうですね!」


残念そうな白雪を連れて、出口へ行くと、暁斗が迎えに来ていた。


「暁斗!」

「お嬢、迎えに来ました。」

「ありがとう!」


そんな会話を聞きながら、千里が朱月に話しかけた。


「白雪さんとの時間、作ってくれて、ありがとうございました。」


「あぁ。」


「友達に、なれました。」


「あぁ。」


俯く千里に、朱月は続ける。


「…朱月でいい。…俺も、千里って呼ぶ。」


「え…。」


「もうライバルじゃないから…友達なんだろ?」


左右違う瞳が大きく見開く。


「はい!…ありがとう朱月!」


「あぁ。」


「ふふ、朱月はもう少し表情出したら良いよ!」


頬を緩めた朱月に、千里も笑みを返した。

暗闇で生きていた二人には、想像つかない想いを胸に…。


────────


冷たい風の中にも、どこか春の気配が混じり始めていた。


「碧くん!卒業おめでとう!」


ウルウルとした目で洸が見つめる。


「碧…たまには遊びに来てね。」


白雪から涙が落ちる。


碧の卒業式。

在校生代表の芽莉と、付き添いで来ていた白雪と洸は碧に抱きついていた。


「……。

俺、大学こっちだから、引っ越さない…。」


白雪と洸は一斉に碧を見る。


「知らなかった!」


「受かるかわかんないから、言ってなかった…。」


「なーんだ!じゃあまた遊べるね〜」


軽く言う洸は、白雪の腕を掴んで碧から離れた。


「…ははは…。でも先輩はお家、継ぐのかと思いました。」


芽莉が聞くと、洸もうんうん。と頷く。


「母さんが…看護師なんだけど、大学くらい行けって……。」


「え!?看護師さん!?」

「極道と看護師さん!?」


「おじ様が怪我で入院した時に、おば様が担当で、一目惚れされたんだって!」


驚く二人を他所に、白雪が言う。


「えー!ステキ!」

「えー…芽莉ちゃん。」


碧の両親の出会いを羨ましそうにする芽莉。


「おば様の方が怖いんだよ!ね!」


「あぁ……すげー怒られた。」


碧は白雪を見つめる。


「あ、うん。想像つく…」


「でも、俺の気持ち知ってたから…

……いや、ごめん。もうこの話は…」


「碧くーーん!こっちで写真撮ろー!」


二人の気まづい空気は、同級生に破られた。


「ごめん行くわ!じゃ、また連絡する!」


「うん、またね!」

「バイバーイ。」

「卒業、おめでとうございます!」


碧の三年生最後の背中を、三人は見送った。

また一つ季節は過ぎていく。



つづく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ