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白雪と7人の極道たち~この中から婿を選べと言われても嫌です。~  作者: 白 月虹


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21/33

21話 想いは隠したまま

本作はフィクションです。

登場する団体・人物はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

物語としてお楽しみいただければ幸いです。

――『組長は命に替えてもお守りします。』


呂唖の瞳が大きく開かれる。


「誠司おじさんは、そう言って出かけた。」


「え…白雪、父さんに会ったの?」


「うん。だから悲しかった…」


思い出して、白雪の目から涙がポロポロ落ちる。


「でも!だからって、本当に…」


「俺を庇ったんじゃない…あいつは優しいから…後輩を庇ったんだ。」


「はぁ?…そんな、嘘だ…」


「本当だ。」


当時その場に居た組員がそう言うと、呂唖の手から銃がカチャリと落ちた。


「組長をお助けしろ!」


白雪は呂唖を優しく抱きしめる。


「…白雪。」


「私、呂唖くんの事――」


呂唖は、そのあとの言葉を封じるように口付けをする。


「っ!」


「俺にはそんな資格ないよ…」


そう言って涙を流す呂唖。


挿絵(By みてみん)


数日後。

呂唖は、母親の待つアメリカへと発った。


━━━━━━━━━━━━


白雪はいつものように、公園に居た。


(はぁ…。)


思い出すと涙が溢れるから、考えないようにしようとする…でもそう思えば思うほど、考えてしまう。悪循環だった。


俯く白雪の足元に、影落ちる。


顔を上げると――朱月だった。


「…なんで?」


「いちお、組の中で情報は共有してるから。

またここかと思って…。」


隣に座る朱月。


「高台の公園連れて行ってやろうか?」


「………いえ、今は助手席が辛いので…。」


そう言うと、白雪は泣きだしてしまう。

朱月は肩を引き寄せる。

涙で濡れようが、構わず。


「うぅ……好きって、言わせて、もらえなかった…。」


「…その方が、辛いな。」


「うん…」


「今度会ったら、文句言えば?」


「うん…」


それ以上会話はなかった。

二人は離れる事なく、ただ時間だけが過ぎていった。


「送っていく」と朱月に言われ、屋敷前まで来ると、千里が出てくる。


「千里さん!」


白雪は驚く。


その顔は赤く腫れていた。


「誰がやったんですか!?

その前に、手当て受けましたか?」


「え?」


白雪の剣幕に千里はたじろんでしまう。


「白雪、藤塚が困ってる。」


「でも、頬が腫れてて…うちの誰かに叩かれたんじゃぁ…?」


「ち、違いますよ!

……父に叩かれました…。」


千里は俯いしまう。


「僕、華道に専念したい。って言ったんです。…白雪さんに言われた事、嬉しくて。」


「へー。」


朱月は少し羨ましい表情で、二人へ交互に視線を動かす。


「それでなんで叩かれるんですか!?」


やはり白雪の怒りは収まらない。


「それは…白雪さんと結婚して、組長になれと…」


「……せっかく千里さんがやりたい事言えたのに…。」


「俺は、藤塚には組長無理だと思うけどな。」


朱月の言葉に千里が反応する。


「それは、ライバル一人減らしたいだけなのでは?」


「――なっ!」


「別に僕は結婚したくないとは、言ってません。」


意地悪く千里は横を向くと、少し顔を赤くした白雪と目が合う。


「そうだ!白雪さん。休みの日一緒に出かけませんか?」


「え?あ、はい。」


千里の気迫に押され白雪は返事をする。


「場所は僕が決めますね!」


「俺も行く。」


朱月が横から入ってくる。


「ライバルなら、邪魔しないとな。」


「良いですよ!受けて立ちます!」


火花を散らす二人に、白雪は困惑していた。


(最近みんな、積極的じゃない?

心臓がもたないよ…。)



つづく。

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