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アトリエアルマ/錬金術師型電波望遠鏡  作者: 朝野神棲
第肆話 月に吠える
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6:ここまで、よく頑張ったね

 味は保証できないけど、と言い、外に出たそらは獅子の神獣に錬金出力を指示した。


 まもなく獅子の神獣が錬金炉を使い、魔法瓶を出力してくれた。


 観測室の軒下でカップになったフタに中身を注ぐと、味噌汁の柔らかい香りが湯気をたてた。


 口をつけると、久遠の身体はぽかぽかした。


「おいしい」


 なんだか泣けてきた。


 おれは、たった少し前まで、あいつと折り紙を折って、植物園の花を植え替えて、昼寝をしていたんだ。


 それがどうして、こんなことになるんだろう。


 泣き顔を見せまいと、久遠は「何だよ」と顔を背けた。


『いや何、似ているなあと思っただけさ。あなたたちはやっぱり親子なんだね』


 やっぱり?


 おれとアルマが似ているって言いたいのか。


 だけどそんなおれの怪訝さとは裏腹に、この幽霊はおれの頭を撫でるようにして言うのだ。


『ここまで、よく頑張ったね』


 その一声で、張り詰めていた糸が切れた。久遠は、声を噛み殺して泣いた。

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