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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第3章 生きる傀儡篇
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第76話 傀儡の正体

「さてこれからだが、ジル国王も早期解決を望んでいる事だ。

なのでこのまま犯人を捕まえようと思う」



特に反対意見の無い翔太は素直に頷く。



あの後、神坂達の気を引いてもらう代わりに、翔太は八城に自分がコクヨウであることを教えた。

本当は話すつもりはなかったが、ヤーデから彼女が魔力探知に長けている事は既に聞いていたため、彼女にバレた時点で覚悟はしていた。

なので彼女が大きな声で翔太の正体を言わなかった事は、翔太にとって寧ろ不幸中の幸いだった。



今後の流れが決まった彼らは今、神坂達から離れた場所で身を隠しつつ移動している。



「細かい事は私よりコクヨウ、君に頼む」



「わかりました、じゃあ先ずさっき言いかけた、あの傀儡もどきの説明から」



「“もどき”…?……傀儡と……似て否になるもの?」



「そうです、モモが言ったようにアレは完全な傀儡ではありません。

アレは“人格を破壊された”人間です」



「人格を…破壊?

薬物でも行なっていたという事か?」



「無い、とは言い切れませんが根本は別です。

根本は“脳細胞の一部を物理的に破壊された”です」



「脳細胞を物理的に破壊って…そんなこと出来る筈無いじゃないですか」



馬鹿馬鹿しいと言った口調で翔太の言葉をグラナートが否定した。

他のみんなも同じ気持ちのようだ。



「じゃあみんなに質問です。何故できないと思うんですか?」



「そんなものいくらでもあるが…

先ず1つ目に、そんな事例は過去に1つもないこと。

2つ目に脳細胞が破壊されて生きているはずがないこと。

そして何より、非現実的過ぎる!」



「ヒスイさん、僕からすると魔法があるこの世界の方が非現実的なんです…。

まぁ要するに僕が言いたいのは貴女達は知らないってことです。

魔法という力が発展してしまったがために。

逆に僕達の世界では魔法なんてなかった、だから人体のことをある程度知識があります。

“知らない”のはしょうがないです。ですけど“知らないことを、あたかも知ってたようにいる”のは『罪を犯してるのと一緒』です。

今の言葉は受け売りですけどね」




「……確かに知ったかぶるのは人を騙すのと同義だ…。

では本当にそんなこと………」



「理論上可能らしいです。というのも、これから話す方法は本で読んだ事しかありません」



ヤーデ達は息を飲む。

それもそうだろう。今回の相手は人体を玩具のように弄る異常者。

つい先ほどまでそんな事ありえないと考えていた。しかしそのありえない事は真っ向から否定された。

この世界で、ありえない考えを持った彼に。



敵は予想以上に厄介だ、今以上に身を引き締めねば。



「恐らく犯人に捕まった人は、なんらかの方法で眠らされ拉致されそのまま監禁。

そのまま頭の一部を切開し頭蓋骨の一部を切り取ります。そして見えた脳の感情や五感の一部を場所、扁桃体(へんとうたい)など脳細胞を破壊。…そして縫合と言った感じだと思います。

その証拠に頭には縫合した跡がありました」



静聴していた彼女達はちょくちょくわからない単語に苦労するものの、数分後には概ね理解した。



「なぁコクヨウ、脳の一部を切除せえへんで脳細胞を破壊ってどうやるんや?」



「それは多分光属性の魔法を独自にアレンジして細い光線の様にしてるんだと思います。

僕のいた地球でも魔法ではないですが、そういう専用の器械で腫瘍を取り除くものがありますから」



もちろんそんなものは一般人使えるものではない。

それを知ってか知らずか、そんな凄いものがあるんかと感心しているヴァイス。



ここにきて翔太の足が止まる。それに合わせて他のみんなも止まった。



「説明は以上です。さて着きましたよ相手の根城に」



そう言って目の前に広がっていたのは周囲何も変わらない森だった。

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