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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第3章 生きる傀儡篇
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第68話 仮説

場所は戻り城の中。

翔太はフラン王女のおかげもありジル国王との謁見に成功していた。

最初は謁見の間にて大臣たちも含めて話し合おうと言う話だったが、翔太がそれを強く断り、今はジル国王の書斎で翔太とジル国王そして国王の娘であるフラン王女の3人で話していた。



「ふむ、してこれが手掛かりのものか…。

すまぬが我もそのような物は見たことがない。それは何なのだ?」



ジル国王の掌の上には銀で出来た細長いの物が2つある。

どちらも先が鋭く切るのに適した物だ。



「それは“メス”というものです。

一般的にある職業の方のみ使う作業道具です。

しかし、そうですか…。フラン王女様もご存知ないですか?」



「そんな堅苦しくなくても構いませんわ。

フランで結構です。

残念ながら私もそのようなものを見るのは初めてです。

ところで、そのメスが今回の傀儡、失踪にどんな関係をしてるんですの?」



「まだ関係してると決まったわけではありません。

ただ、仮説が増えた程度です。 人が人形のようになった仮説が…」



「ほう、この短期間でもう仮説が浮かんでおるのか。

それは一体どんなことだ?」



「………」



ジル国王の質問に翔太は答えようとしない。

不審に思ったジル国王は鋭い視線を翔太に向ける。



「よもや我に嘘をついたのではないだろうな?

もしそのような舐めた真似をしたのなら、いくらあの女のお気に入りとて許さんぞ?」



ジル国王から明確な殺意が翔太に向けれる。

しかしそれはある人物によって遮られた。



「お父様やりすぎです」



今まで翔太の横にいたフラン王女が自らを翔太とジル国王の間に割って入った。



「依頼をしたのはこちら側です。助けに来てくださった相手に殺気を向けるなんて、失礼にも程があります!

それに彼らには彼らのやり方があるんでしょう。それに対して口出しする権利なんて私たちにはありません」



まさか実の娘に咎められるとは思わなかったジル国王は唖然。



「だいたいお父様いつもそうです!相手のことを考えずーーー」



まだまだ言い足りないというかのように言葉続ける。

これはマズイと感じた翔太はフラン王女の肩を叩く。



「ーーーなんです?今取り込み中なのですが」



「…えっと…落ち着きましょう?」



「え?………!?〜〜〜ッ!申し訳ありませんッ!お見苦しいところを見せてしまい!」



翔太の言葉により落ち着きを取り戻した彼女は、これでもかといった感じで顔を赤くする。

そして即座に頭を下げ謝罪。



「ちょっ!?頭を上げてください!」



謝罪はともかく彼女は一国の姫だ。

そんな簡単に頭を下げてはマズイだろう。



しかしフラン王女は一向に頭を上げようとしない。

それどころか、自分を無視して話を続けて欲しいとまで言われた。

彼女が頭を上げない理由は至極単純。



“真っ赤中を見られたくない”だ。



そんなことわかるはずもない翔太とジル国王は只々オロオロしていた。

そこには先ほどの張り詰めた空気はもうそこにはない。



「えっと、ジル国王様。ここは彼女に意を汲んで話を続けませんか?」



このままでは拉致があかない。

翔太はフラン王女の事は一旦置いといて、彼女言った通り話を続けることにする。



「うーむ…そうだな。しかし話の続きといっても貴様は仮説を話す気がないんだろう?

ならばもう話すことなどないだろう」



「そのつもりだったんですが、気が変わりました。それにフラン王女にも迷惑をかけてしまったみたいなので。

いいですか、落ち着いて聞いてください。

そして絶対他言しないで下さい。絶対ですよ!王女様も!」



気づけばフラン王女も顔を上げていた。

そんな2人に翔太は強くくぎを刺す。2人静かに頷く。



「仮説は3つあります。

1つ目の仮説、この国に何らかの私怨をいだいた特殊属性持ちによる仕業。

おそらくこの仮説は皆さんがお考えだと思います。

2つ目の仮説、他国による何らかのテロ行為。

そして3つ目は…










ラース王国以外の国で秘密裏に異界人の召喚が行われ、その人物の実力試し。

つまりこの国が実験場所に選ばれたという可能性です」

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