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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第2章 学園編入篇
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第60話 王族

「お言葉ですが王妃様。ミーアは間違ったことはしていないと私は思います」



「なぜそう思うのです、リルファン=グレア」



…おぉ、アスカ姉さんの雰囲気が偉い人っぽい。

いや実際偉い人だけど、この国のトップだけど…。




「ミーアは王族という立場を今一度彼らにしっかりわからせようとしたんだと私は思います。

王族が一平民に頭を下げる事や王族を愚弄するなど本当ならばあってはならない」



「だから愚娘は正しいと?」



「はい」



「なるほど、実に浅はかですね。

なぜ王族が頭を下げてはいけないのです?

愚弄されてはいけないのです?」



「そんなもの決まっていますわお母様。

王族としての威厳が無くなってしまうからです!」



「だから愚娘なのですよ貴女わ。

威厳なんてもの最初から不要なのです。そんなものは最終的には孤独しか生まないのだから…」



アスカ姉さんは少し哀しげな顔をする。



多分、彼女は今、前世であったことをいってるんだろう。



「ですがお母様!国を率いる者としてーーー」



「人を、国を率いてなどと考えてる時点で王族失格です。

『王家たる者、率いるのではなく着いて行きたくなる者となれ』

率いるのなら恐怖や貴女が今使った権力でも使えばなんとでもなります。

ですが着いて行く、これは個々が決めること。

個々とはもちろん一般国民。

そんな権力も何もない者達が己の為に権力を振りまわす人をどう思うか…貴女達はわかりますか?」



「……わかりません…」



「でしょうね。

ではそこの生徒さん。貴方は己の為に権力を振りまわす人をどう思いますか」



呆れのため息をついた後、学園の生徒に尋ねた。

一般生徒はまさか自分に聞かれるとは思わなかったのだろう、驚きの声をあげたがすぐ冷静に戻り質問に答える。



「えぇっと…怖いです…。その力で無理難題を押し付けられそうで」



「ッ!?私がそんな事をする筈ないでしょう!」



「ヒィ!すみません王女様!」



「大丈夫です…大丈夫ですよ生徒さん。

わかりましたかミーア、これが世間の目。

無闇に権力を振りまわす代償が民からの人からの信用を損なうのです。

孤高の王なんて虚しいだけ…。

悪いことをしたり、迷惑をかけたら謝る。当たり前のことです。

当たり前のことが当然のようにできなくて何が王ですか。

貴女も…いえ、ここにいる若きこれからを担い、人の上に立ち導く者全員に伝えます。

今一度、人の上に立つという意味を自身で見直しなさい。

私からは以上です」



「「「………」」」



「レイさん。申し訳ありません、新生徒会メンバーの抱負を邪魔してしまって」



「あ、いえ…大丈夫です…」



アスカ姉さんの言葉は貴族達に重くのしかかった様で、終始貴族の御坊ちゃんお嬢ちゃん達は俯き黙っていた。

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