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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第2章 学園編入篇
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第42話 回復魔法

「で、どうなんだ。君が来た時点で翔太が助かるのは分かっているが、どんな状態なんだ?」



今上向きに横たわってる翔太の側にリーラが傷口を覗き込むようにして診察している。教師陣は邪魔なので散らばすせた。なので近くにいるのは私達とリーラのみ。



「もう数分放っておくと出血多量で死んでおったのじゃ」



ギリギリだったのか。兎に角間に合ってよかった。



「時間がない、ここで始めるのじゃ」



そういうと彼女は白衣のポケットから傷口を縫う為の縫合糸と一本の針を取り出した。



「わ、私にも手伝わせてください!」



走って来たのだろう、私の横には膝に手をついて息を切らした八城美嘉がいた。確か彼女の力はこういう時のためのある。しかしなぁ…。ん?



「お主は誰じゃ?」



そうか、リーラは彼女を知らなかったか。私は彼女に八城美嘉のことを説明した。



「なるほどのぅ。八城とやら、手を貸して欲しいのじゃ」



「!?ちゃんと聞いとったんかリーラ。彼女は」



「聞いておったわ。じゃが、今はそんなこと言ってられんじゃろ。それに翔太のことじゃ、こうなることも全て計算済みなはずじゃ。此奴の詠みが異常なのは、お主らが1番知っとるじゃろ」



「けどやなぁ」



「ストップだ2人共。まったく…八城が困ってるだろう」



2人の視線が八城に向く。彼女は翔太を助けたいが勝手の行動するわけにもいかない、という2つの想いに板挟みにされオロオロしていた。



「それに、そういう事は本人に聞いた方が早い。なぁ?『翔太』」



みんなの視線が翔太に集まる。だが数秒たっても返事がない。



ほぅ、私を無視するとはいい度胸だ。



「そういえばみんな聞いてくれ。6日前、翔太は庭でーーー」



翔太のおもしろ話をしようとしたら翔太が吐血した。



「ゴフッ…ゴフッ。僕…どのくらい…気を失って…」



「私に嘘だとバレているのにまだ嘘をつくのか君は。ホントは気を失ってなんかいなかったくせに。ま、その事は後でいい。状況は分かってるね?で、彼女どうする?早く答えないと君、ほんとに死ぬぞ」



「…瀬戸君」



「…すみません……八城さん。ゴフッ…僕…にぃ…イテテテッ!……ふぅ…回復魔法を……お願いします…」



「!?うん、任せて!“かのものの傷を癒し安らぎを”。回復魔法…イノセントキュアー!」



魔法発動と同時に翔太を琥珀色の結界が覆った。直後、翔太の傷がみるみるうちに塞がっていく。そして数秒後には傷は完全に塞がっていた。



これが回復魔法。たった1ヶ月足らずでここまでとは…。余程の覚悟を持っているんだろう。



「なかなか素晴らしい魔法じゃ。それは血も回復するのかえ?」



「いえ、さすがに血までは増えません」



「そうか、じゃあその役目は妾が引き受けよう」



リーラはゆっくり翔太の背中に手を当て、魔法を発動した。

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