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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第2章 学園編入篇
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第39話 ファイト6

「それにしても、面白いことを言ったな神坂誠也ァ」



「な、何がだ…」



さっきの怒声で萎縮したのは彼も例外ではなく、あからさまに声と脚が震えていた。

それを見た僕はテンションが若干落ちる。



「そんなにビビるなよ勇者君。僕には覚悟が無い、そう言ったね?」



「そ、それがどうしたッ…?!」



精一杯の虚勢を張っているのか、はたまた僕のテンションが落ちたせいで口調が戻って、彼も強気に戻ったのか、声が大きい。



「じゃあ君にはあるんだね?覚悟が」



「当たり前だ!」



「それなら見せてくれよ、ホラ」



僕はその場で両手を大きく広げ、棒立ちになる。それは闘い中には、おおよそありえない格好。コウサカや周りの奴らは僕の行動に困惑していた。



「なんのつもりだ!」



「だから、僕に覚悟を見せてくれって言ってるんだよ、その剣でね。気づいてないと思ったの?さっきまで斬ってるように見せて、当たりそうな時だけ剣の腹を僕に向けてたことなんてバレバレだよ?だからハイ、斬らせてあげるよ」



それくらい、僕の『観察眼』をもってすれば造作もない。



「僕から言わせると、覚悟が無いのにあると強がる君みたいな奴が1番役立たずなんだよ。人を殺す覚悟が無いのに挑み、殺さず穏便に済まそうとする。見てて吐き気がするね」



すると、元クラスメイトたちが僕の言葉に反論するかのように野次を飛ばしてくる。



「何言ってるのよ!穏便に済ませられるなら、それでいいじゃない!」



「そうだ!誰も傷つかない世界の何が悪いって言うんだ!」



「無能のくせに威張ってんじゃねぇぞ!」



「周りのみんなだって、俺の意見に賛同してくれてる!やっぱり俺が正しいーーー」



「何腑抜けてんの?」



僕の低い声で再び訪れる静寂。



「ーーー!?」



「結局君は、“自分の手は汚さず仲間の手だけを汚させる”。ただのクズじゃん」



「ッ!俺はクズじゃなァァァァァァい!うわァァァァァァ!」



神坂は大きく振り上げた剣を、右肩から左脇腹を斬るように振り下ろす。



それを僕はーーー



「これで…君は人殺しだね」



ーーー避けることもせず斬られた。

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