第38話 ファイト5
「いくぞ!〝聖属性初級魔法〟ホーリーランス!」
開始と同時に、3本のホーリーランスが僕を襲う。それを僕は大袈裟な横っ飛びで躱す。
へぇ、今回はローザの時のように突っ込んでこず、魔法で仕留めると。考えてたことと、ちょっと違ったけどやることは変わらない。とりあえず、煽ろう。
「うわー、魔法が使えない相手に魔法で仕掛けるなんてサイテー。しかも、今の当たってたら絶対死んでたよ?あ、剣に自信がないから遠くから魔法撃ってるんだね。ごめんね、君への配慮が足りなかったよ。いいよ、ドンドン魔法で攻めてきて」
こんな単純な煽りでもコウサカには
「俺をバカにするなァァァァァァ!」
効果覿面。
予想通り魔法を止めて、ペンダントにしてあった魔武器である剣で切り掛かってきた。それを僕はヒラヒラと躱していく。
「クソッ、当たらない。躱すんじゃねよ!当たれ!」
アホなの?躱さないと僕死んじゃうじゃん。
「だいたいお前は昔から気に入らなかったんだ!いつも1人で行動して、集団でいる俺たちを1人じゃ何もできない憐れんだ様な目を向ける。そういう人をバカにした態度がな!」
「ふーん、他人の意見だから否定も肯定もしないけど、僕はそんな自分がすきだよ?」
皆僕たちの話が気になるのか、訓練場内が静まり返る。
若干4名のニヤニヤとした顔が目立つが。誰とは言わない。
「最低だな。そんなに1人で出来る事が凄いのか?自分がかっこいいか?」
「別にそんな事思ってないよ。それに僕が誰を好きになろうと僕の勝手でしょ?もちろん嫌いなものもあるよ。例えば君とかね」
いつしか僕にくる剣の攻撃は止み、今はお互いの論理という口撃へと変わった。
「結局のところなんが言いたいの?君たちのクラスほぼ皆揃って僕を嫌ってるけど、君たちが自己憐憫に溺れたナルシストって事?」
「違う!みんなで力を合わせて努力している、それを笑うお前が許せないんだ!この世界に来てからだってそうだ。みんな頑張ってるのにお前だけ何もしてない!お前みたいな覚悟のない奴はこの世界に不要なんだよ!」
周りの観客席に居る奴等も、便乗する様に野次を飛ばしてくる。
「みんなの頑張ってるのに僕は何もして無い…。よく言うなぁ、何も『させてくれなかった』のはテメェらなのによォ!人を見殺しにしたくせによくそんな事が言えるな。なァ、クズどもォォォォオオオ!」
僕の殺意を含んだ怒声が訓練場内に響く。瞬間、彼らは萎縮し、さっきとは逆に場内は静寂へと包まれた。




