第36話 ファイト3
ワイは離れて行く翔太の背中を見ながら、グラナートはんに話しかける。
「オモロイ事になりましたなぁ」
「そうですね、口調も煽りスタイルに変わってましたし。ああなった翔太を見るのは久しぶりです」
「あの翔太は、敵にしたくない…」
「そうだな。今の彼はどこまで視えてるのか、何が視えてるのか私たちには分からない。が、1つ言えるのは」
「「「「全ては翔太の掌の上」」」」
さぁ翔太。今回は何を見せてくれるんや?
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「今から一時授業を中断し、急遽ファイトを始めます!戦う2名以外は観覧席に移動。先生方は生徒たちに被害が及ばぬよう、防御魔法の展開をお願いします。立会人は私が務めます」
生徒たちが一斉に二階の観覧席に移動し始める。僕が先生に「ファイトを申し込まれました」って言ったらすぐに行動してくれた。数分で訓練場は僕とコウサカ、そして立会人の女性教師だけとなった。
「生徒全員の移動終了を確認、防御魔法の展開も確認。では、これよりファイトを始めます。初めにお互いの勝利した時の命令内容を決めましょう。まずコウサカ君」
「俺が勝ったら、お前にはこの学園を辞めてもらう!」
その命令に僕と女性教師の声が重なる。
「「却下」」
「なっ!?」
却下されるとは思ってなかったコウサカは、驚きの表情を隠せない。その顔を見た女性教師が理由を説明する。
「いくらファイトと言えどこれは、あくまで学園内の事。貴方に言う「辞めさせる」というのは学園内の事ではありますので、実際は可能です。しかし、その権限を持っているのは学園長ただ1人。貴方に権利はない。どうしても辞めさせたいなら、学園長とファイトをし、勝利するしかありません。よって学生同士のファイトによる退学命令は却下です」
「他にも、ファイトは相手が同意すれば特例で学園外適応もアリとか、現生徒会は次の生徒会に参加できないとか、合同チームの本決定は最初の授業から1カ月後それまではチーム変更ありとか、学食のお代わりは3回までとか、色々大事な事が記されてるのに読んでないなんて、よくそれでファイトを挑んできたね」
「う、うるさい!俺は今日転入してきたからまだ読んでないだけだ!」
「その今日転入してきた君が、何でファイトを知ってる?」
「そ…それはミーアに聞いたからだ!」
目の動きと呼吸で嘘だと言うのが丸分かりだ。ま、何となく想像はつく。
「嘘つくなよ、さっき入ってきた時に捕まった男性教師に聞いたんだろ。嘘をつくあたり、口止めされてたみたいだけど。そりゃそうか、教師が生徒を間接的に辞めさせようとしてるんだから。でも残念、君も男性教師も勉強不足だ」
「〜〜〜〜〜ッ!」
「双方そこまで!これ以上ファイトを滞らせるなら無しにしますよ!」
まだ煽り足らないけど仕方ない、始めるか。




