第32話 因果応報
最後の一口、というところでヤツはきた。
「瀬戸翔太、さっきはよくもやってくれたな」
コウサカくん再登場。
しかも今回は後ろに4人。その中には八城さんと香織さんの姿もある。余計なことを言ったら彼らの反感を買ってしまうかもしれない。面倒事はゴメンだ。当たり障りがないように、言葉をお選んで会話しないと。
「あ、コウサカくん。はて…さっきって何のことですか?…あぁ!さっきといえば、すみませんローザが怪我をさせてしまって。大丈夫でしたか?」
「ふん、こんなの何ともない。それにさっきの怪我も、お前のせいでなったものだ」
『観察眼』で確認するとホントに完治していた。以外とこの世界の回復魔法ってスゴイ?
それはさておき、おかしい。彼に怪我を追わせたのはローザだ。さっきもわざわざ『ローザが』と強調したのに。なぜ僕のせい?
気に入らない。気に入らないけど反論すると、彼も彼の取り巻きもうるさいだろうなぁ。ここは感情を殺して冷静に冷静に。
最後の一口も、つい今しがた食べ終わった。みんなも食べ終わってる。ここは謝って立ち去るのが適当!
「ホントすみません。じゃあ僕はこれで失礼します」
言い終わるや否、僕はトレーと食器を返しに行こうと席を立つ。
「待て、まだ話は終わってないぞ」
え、もういいじゃん。君と話すと疲れるんだよ。
僕は助けを求めるようにみんなを見る。って、ちょっ!居ないじゃん!?
よく見ると、みんなはトレーを返して出口に向かっていた。
ん?振り返ったヤーデさんが口パクで何か言ってる。えー、なになに?「ザマァみろ」と。
………今度からはみんなを助けてあげよう。
「おい、聞いてるのか!」
ちゃっかり座ってらっしゃる。
「え?あ、はい聞いてますよ。で、何ですか?」
「聞いてないだろ!だから、お前みたいな出来損ないが生徒会の人たちと居るなんて、あの人たちに迷惑だと言ってるんだ」
迷惑かどうかは彼女らが決めることであって、君が決めることじゃないと思うんだけど。
「もう止めて神坂君。瀬戸君は別に悪いことしてないじゃない。それにそれはあなたが決めることじゃなくて、生徒会の人たちが決めることよ」
「美嘉は何でこんな出来損ないの肩を持つの?」
「そうだよ美嘉。私もこんな奴、ほっといたほうがいいと思う」
「セイヤ様とヒラセ様の言う通りですヤシロ様。この者は、貴女方の唯一の汚点なのです。なぜ生きてるかは知りませんが、もう関わるのは止めるべきです」
「汚点だなんて…。香織まで何でそんなこと言うの。同じクラスメートでしょ?!」
話題の中心になってるとはいえ、本人抜きで話し盛り上がってるみたいだし、僕いらなくない?もう行こ、時間無いし。
「あの、僕もう行きますね」
「話しが終わってないって言っただろ!」
「そうですけど…もうあと5分で次の授業始まりますよ?場所はさっきの訓練場。ここからだいたい3分です。喋っててあと2分で完食出来るんですか?」
彼らは、ハッとし壁に掛かった時計を見た後、急いでご飯を口にかきこみだす。
僕は何も言わずにその場を離れ、トレーと食器を返して先ほどの訓練場に戻った。




