第23話 偶々
笑いが、笑いが止まらない。頑張って堪えてるけど、もうヤバい。てか堪えすぎて腹筋痛い。
いやー、何かやるとは思ってたけど、いきなり転入生が異世界人ってバラすなんて。予想外過ぎ。
「待て、ヤーデとやら。よもや貴様、態とやったのではあるまいな?」
と、ここで国王登場。
さすがに疑われるよね。
「もし態とやったのならば、国家機密を漏らした罪として貴様を処刑する」
まさかの処刑宣言。さてヤーデさんはどう切り抜けるのかな?
《私はァー態とォー言ったわけではァーあーりーまーせーんーッ!》
「「プッ!」」
思わず吹いちゃった。この場面で芝居掛かった言い方はズルい。多分もう1人はアスカ姉さんだろうね。
アスカ姉さんの方を見ると、もう大爆笑してた。ズルい!僕は声あげて笑いたいの我慢してるのに!
隣の国王は顔を真っ赤にしてる。そりゃ見るからに揶揄われてるもんね。
生徒たちはそれを見て逆に真っ青。いやー面白いねぇ。
「貴様ッ……。もう良い貴様は死刑だ!」
…出たよ理不尽、なんの証拠も無しに死刑だって。あーあ冷めちゃったな。
まだ国王にはバレたくなかったけど、王女にバレてる以上近いうちバレるし、そろそろ僕もこの『遊び』に参加しようかな。
そう思い席を立ち国王の方を向いた時、アスカ姉さんがこっちを見てウィンクをしてきた。
どうやらここは彼女に任せていいみたいだ。僕は静かに席に座り直す。
「何をしておる!其奴を捕らえよ!」
国王を護衛していた2人の騎士に命令を飛ばす。それを聞いた生徒はさらにざわめきだす。
「静まりなさいッ!」
一瞬のうちに体育館が静かになる。まさに鶴の一声。この声の主はもちろんアスカ姉さん。
「ど、どうしたのだアス…妃よ」
うわ、国王がアスカ姉さんの名前を呼ぼうとしたら、凄い勢いで睨まれてたよ。偽りとは言え、家族なのに名前で呼び会えないなんて…国王哀れなり。
「どうしたではありません。何故彼女が処刑されねばならないのです」
「それはさっきも言ったように、あの者が国家機密を態とバラしたからだ」
「何故、態とだと言えるのです?」
「そ、それは我の質問に、あの者が芝居掛かった答え方をしたわけで…」
「……ヤーデ=ルーファスさん?今回の件、『偶々』口が滑ってしまっただけで、態と言ったわけではないんですね?」
「はい、申し訳ありません」
ヤーデさんのあからさまな態度の違いに生徒たちはどよめく。。
「そうですか。ではあなたの処罰は無しです」
「なっ!?何を言ってるのだ妃よ!あやつは国家機密を態とーーー」
「証拠はあるのですか?彼女が態と言ったと言える証拠が」
国王はただぐもるだけで言い返さない。
そりゃ証拠なんてないもんね。
アスカ姉さんはまだ言い足りなのか、まだ攻め続ける。




