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戦えない落ちこぼれは知力で成り上がる  作者: 加藤 成
第2章 学園編入篇
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第20話 甘すぎ

時は戻り



はぁ、まだ起きてから3時間くらいしか経ってないのに僕、もう限界。帰って寝たいな。

なんかさっきからすごい見られてるし。主に元クラスメイトから。



「落ち着きましたか翔太。こっちはまだヤーデが1人で騒いでいますが、そろそろ体育館に向かいましょう」



「あ、はい。すみませんグラナートさん、わざわざ待ってもらって」



「気にせんでええで、悪いんはあの眠り姫なんやから」



どうやらヤーデさんは落ち着いたらしい、いつの間にか僕の周りにみんながいた。

ヤーデさんだけ申し訳なさそうな顔してるけど。なんでだろ?


「その、すまなかった翔太。私のせいで朝から慌ただしくなってしまって」



なんだ、そんなことか。



「もう慣れましたよ、それに僕もなんやかんや楽しいし。あ、そういえば…はい、朝食のホットサンドです。それ食べながら体育館に行きましょう」



僕はバックから朝来る前に作っておいた、紙に包まれたホットサンドを差し出す。



「ありがとう翔太!いただきます!」



さっきの表情は何処へやら、と言いたくなるほどの笑顔でホットサンドにかぶりつくヤーデさん。



「翔太は…ヤーちゃんに…甘すぎ」



「まぁ、そこが翔太のええところなんやけどな。さて、そろそろホンマに向かわんと遅刻になるで。グラナートはんはもう向かったみたいやし、行こか」



ヴァイスが親指を指した方に目を向けると、グラナートさんが1人で体育館に向かう姿が見えた。



ホント、ちゃっかりしてるなあの人。

なんて心の中で思いつつ、僕らも体育館に向かう。



「ま、待って瀬戸君!」



元クラスメイトの委員長…確か名前は八城さん(?)が呼んでいるみたいだけど、待ちません。



「おい、待てよ!瀬戸翔太!」



「そうです!セイヤ様が待てと言ってるのですから待ちなさい!」



無視無視。てか、セイヤって誰だっけ?

え?何なの?なんか近づいてきてる気がするんだけど。



「おい!待てって言ってるだろーーー」



とうとう僕に追いついたセイヤ君(?)が僕の肩を掴んだ瞬間



「今すぐ翔太の肩から手を退けろ。この首を切り落とされたくなければな」



「ーーーッ!?」



ヤーデさんが刹那に彼の背後を取り、腰に差してる(制服の中)2本のダガーのうち1本を逆手に抜き、彼の首に押し当てる。恐怖で何も喋れないのか、セイヤ君(?)はゆっくりと僕の肩から手を退ける。



「フンッ…。よし、じゃあ気を取り直して体育館に行こうか」



ヤーデさんは何事もなかったかのようにダガーをしまい、いつもの雰囲気に戻る。そして僕たちは、ヤーデさんに続くように体育館へと再び歩き出した。

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