第20話 甘すぎ
時は戻り
はぁ、まだ起きてから3時間くらいしか経ってないのに僕、もう限界。帰って寝たいな。
なんかさっきからすごい見られてるし。主に元クラスメイトから。
「落ち着きましたか翔太。こっちはまだヤーデが1人で騒いでいますが、そろそろ体育館に向かいましょう」
「あ、はい。すみませんグラナートさん、わざわざ待ってもらって」
「気にせんでええで、悪いんはあの眠り姫なんやから」
どうやらヤーデさんは落ち着いたらしい、いつの間にか僕の周りにみんながいた。
ヤーデさんだけ申し訳なさそうな顔してるけど。なんでだろ?
「その、すまなかった翔太。私のせいで朝から慌ただしくなってしまって」
なんだ、そんなことか。
「もう慣れましたよ、それに僕もなんやかんや楽しいし。あ、そういえば…はい、朝食のホットサンドです。それ食べながら体育館に行きましょう」
僕はバックから朝来る前に作っておいた、紙に包まれたホットサンドを差し出す。
「ありがとう翔太!いただきます!」
さっきの表情は何処へやら、と言いたくなるほどの笑顔でホットサンドにかぶりつくヤーデさん。
「翔太は…ヤーちゃんに…甘すぎ」
「まぁ、そこが翔太のええところなんやけどな。さて、そろそろホンマに向かわんと遅刻になるで。グラナートはんはもう向かったみたいやし、行こか」
ヴァイスが親指を指した方に目を向けると、グラナートさんが1人で体育館に向かう姿が見えた。
ホント、ちゃっかりしてるなあの人。
なんて心の中で思いつつ、僕らも体育館に向かう。
「ま、待って瀬戸君!」
元クラスメイトの委員長…確か名前は八城さん(?)が呼んでいるみたいだけど、待ちません。
「おい、待てよ!瀬戸翔太!」
「そうです!セイヤ様が待てと言ってるのですから待ちなさい!」
無視無視。てか、セイヤって誰だっけ?
え?何なの?なんか近づいてきてる気がするんだけど。
「おい!待てって言ってるだろーーー」
とうとう僕に追いついたセイヤ君(?)が僕の肩を掴んだ瞬間
「今すぐ翔太の肩から手を退けろ。この首を切り落とされたくなければな」
「ーーーッ!?」
ヤーデさんが刹那に彼の背後を取り、腰に差してる(制服の中)2本のダガーのうち1本を逆手に抜き、彼の首に押し当てる。恐怖で何も喋れないのか、セイヤ君(?)はゆっくりと僕の肩から手を退ける。
「フンッ…。よし、じゃあ気を取り直して体育館に行こうか」
ヤーデさんは何事もなかったかのようにダガーをしまい、いつもの雰囲気に戻る。そして僕たちは、ヤーデさんに続くように体育館へと再び歩き出した。




