24.ヒカリゴケの群生地にいたスライムに捕まった友人を助けようとして群生地を破壊してしまいました
「キャー、アリス助けて」
モンモンが叫ぶ。
黒いぶよぶよの塊のスライムの塊がモンモンの体を包んでいた。そのままモンモンを溶かして同化するみたいだ。
触手がモンモンを次々に包んでいく。
「モンモン、少し待ってね」
こうなったら仕方がない。
私はファイアーボールでスライムを燃やそうとした。
「駄目よ。アリス。スライムを燃やしたら、スーパーヒカリゴケも一緒に燃えてしまうわ」
モンモンがめちゃくちゃな事を言ってくれるんだけど……
「何言っているのよ、モンモン! このままじゃあなた死んじゃうわよ」
このヒカリゴケは大切かもしれないけれど、私はモンモンの方が大切だ。
何もせずにちんたらしていたらモンモンが溶けてしまう。
「でも、燃やすのは絶対に駄目!」
モンモンが泣き叫んでくれた。
でも、スライムは中途半端に切っても分裂して増えるだけだ。
どうする気なのよ。
「ブラッド、スライムの核を一撃で貫け」
お兄様が無茶言ってくれた。この黒い塊のどこに核があるか判らないわよ。
「おい、このスライムの核を貫くってどうやってやるんだよ?」
ブラッドが戸惑う。
「大丈夫だ、お前の腕なら出来る」
「でも、核のありかが判らないぞ」
「頭部分だ。アリス、強力なライトでスライムを照らせ」
お兄様がむちゃぶりしてくれるんだけど。
「ライト!」
あまり使った事の無い魔術は口に出して言うことにしている。
私の突き出した手から強力な光がモンモンとスライムを照らした。
「ちょっと、アリス、まぶしい!」
モンモンが文句を言っているけど、あんたが溶かされる所なんだから我慢しなさいよ!
私はそう叫びたかった。
私の光を浴びてスライムの中の核が赤く光る。
近付こうとしたブラッドにスライムの触手が襲いかかった。
それを次々にブラッドが斬り刻んでいくが、中々スライムに近付けない。
ヤキモキしてみていた私の足下がヌチャリとした。
「えっ?」
気付いた時には足がスライムの触手に捕まっていた。
「何よ、気持ち悪い」
私は燃やしそうになって、燃やさないでというモンモンの言葉を思い出していた。
本当に面倒くさい!
炎の次は雷撃よ。
私はお母様の血を引き継いでいるんだから。
「ギャーーーー!」
私が手加減して雷を触手に流したんだけど、スライムはびくともしなかった。
えっ、スライムって雷撃は効かないの?
代わりにモンモンが叫んでいるんだけど、慌てて止める。
モンモンがピクピクして悶絶していた。
これはやばいかも。
私は慌てたが、今度はスライムに足を引っ張られて転けていた。
「おい、ブラッド、速くしろ」
「そうは言っても近付けないんだよ」
ブラッドの焦り声が聞こえる。
私はドンドンスライム本体に近付いた。
もうこうなったら仕方が無い。
モンモンも気絶したから良いよね。
「喰らえ!」
私の叫び声とともに私の手から火柱がスライム目がけて飛んだ。
「ギャーーーー」
スライムも声が出せるんだ!
私は初めて知った。
スライム本体が燃えて穴が開く。
私は放り出された。
地面に叩きつけられる前に体勢を直して着地した。
スライムの攻撃も少し収まったというか、触手をくゆらせてもだえていた。
スライムの中央が燃えて大きな穴になっていた。
もう少しで核に届いたのに!
もう一度やるか、私がそう思ったときだ。
「今だ、ブラッド」
お兄様の声がした。
お兄様は燃やしたくないらしい。
ここはブラッドに譲ろう。
私はスライムを燃やし尽くすのは諦めた。
「ようし、行くぞ」
スライムの攻撃が弱まったのでブラッドが駆け出した。
スライムが慌てて触手を繰り出すが、少ないし、ブラッドの方が速かった。
スライムの触手を抜けて、一気にブラッドが飛び上がる。
そのままブラッドはスライムの核に剣を突き刺していた。
「ギャーーーーーーー!」
断末魔の声を上げてスライムは倒された。
でも、燃えているスライムの触手はのたうち回ったママなんだけど……
えっ、なんで消えないの?
私が気付いたときは遅かった。
そのままヒカリゴケの群生している金の絨毯の上に落ちてヒカリゴケも燃えだしてくれた。
「えっ!」
私は唖然とした。
「アリス、水で炎を消せ!」
「ウォーター!」
お兄様の言葉に慌てて私は大量の水を出したんだけど……多すぎたみたい……
ジャブーーーーン!
大量の水が燃えているヒカリゴケの上から落ちてきたんだけど……火を消す以上にヒカリゴケを流してくれた。
水が消えた後にはヒカリゴケの群生地は消滅してしまっていた……
お兄様は頭を押えてくれたし、イリーナ達は呆れていた。
ああああ!
やってしまった。
でも、幸いなことにモンモンは気絶していた。
地面に落ちていたモンモンを抱き上げると、唯一残った端の方のヒカリゴケの方に持っていってモンモンを横たえたのよ。
幸いなことにモンモンは私が貸した分厚い防寒具を着ていたから体は溶けていなかった。
と言うか防毒処理もしていた特殊製だったから防寒具もびくともしていなかった。
「よし、全て丸く収まったわ」
私は自画自賛した。
「ああああ、ヒカリゴケの自生地が」
言わなくても良いのに、今まで黙って見ているだけだったイリーナが言い出してくれた。
「余計な事は言わないの!」
私が釘を刺したときだ。
「うーん」
モンモンが目を覚ました。
「ヒカリゴケは?」
最初に聞くのがそれかよ!
私は思わないでもなかったが、
「このように大丈夫よ」
私は残った唯一のヒカリゴケの自生地の方にモンモンの体を向けた。
「あっ、本当だ……でも、なんか少なくない?」
モンモンは気付かなくても良いのに余計な事に気付いてくれた。
「ああああ!」
そして、見なくても良いのに、後ろを見てくれたのよ。
そこは水で押し流されて悲惨な状態になった荒れ地が広がっていた。
「ちょっと、アリス、どういう事よ! あれほど火は使うなって言ったじゃ無い!」
「……」
私はモンモンを助けて上げたのに、それから延々モンモンに文句を言われ、なおかつ、流されたヒカリゴケを拾わされて、リュックに詰め込まされたのよ。
「本当にアリスは最低よね」
挙げ句の果てにモンモンに言われたんだけど、元はと言えば勝手に駆け出したあんたが悪いんでしょ!
私は余程そう言いたかった。
言うとまた百倍になって返って来るから言わなかったけど、本当に最悪だった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
やってしまったアリスでした。
アリスが少しでも可哀相だと思われる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾








