22.シャラおばちゃんをお父様達の足止めに使うことにしました
シャラおばちゃんを召還した瞬間、その場に凄まじいオーラを纏ったシャラおばちゃんが来臨した。
凄まじいオーラが辺りを覆った。
「余を召還した不届き者は誰じゃ!」
召還したシャラおばちゃんはとても不機嫌みたいだった。
周りを威圧する気は凄まじいものがあって、さすがのブラッド達も唖然としていた。
山賊もあまりのことに声も出ないみたいで、
「へへい」
いきなり跪く者まで出ていた。
おばちゃんには私は背が小さすぎて見えないみたいだった。
ここはお兄様達に任せても良いかもと思わず考えたけれど、お兄様が私をつついてくれた。
つつかなくても良いのに!
「おばちゃん、私よ!」
私は満面の笑みを浮かべておばちゃんを見上げた。
「おおおお、これはアリスではないか」
その途端にシャラおばちゃんの威圧のオーラが弱まった。
そして、シャラおばちゃんは私を抱き上げてくれた。
ブラッドとかイリーナはもうぽかんとしていた。
お兄様は何故か頭を抱えてくれていたけれど……モンモンは呆れて私を見ていたし……
「おばちゃん、お久しぶり!」
「本当じゃな。元気にしておったか?」
満面の笑みを浮かべてシャラおばちゃんが再度私を抱きしめてくれた。
「うん。おばちゃんもお元気そうで何より」
「余は天界でオオクニヌシという陰険な奴に書類仕事をさせにれて苦労しておったのじゃが、アリスが呼んでくれて良い気分転換になったわ」
シャラおばちゃんは上機嫌になった。
「それでこのゴミ共はなんじゃ」
シャラおばちゃんは山賊達を見下すように言った。
「誰がゴミじゃ、誰が! 貴様らは俺達に捕まっているのが判らないのか?」
「屑はよくしゃべるの?」
シャラおばちゃんが馬鹿にしたように言い放った。
「煩い! 貴様でかい態度で……ギャーーーーーーー!」
山賊の親分はシャラおばちゃんの逆鱗に触れたみたいだ。
本当に馬鹿だ。
せっかく私が燃やしてあげなかったのに!
シャラおばちゃんが睨むと目から雷撃が飛び出した。目からも雷撃できるんだ!
男は一瞬で黒焦げになっていた。
地面に倒れてピクピクしている。
「フランク、このような屑、貴様らでなんとでもなろうが」
不機嫌な、シャラおばちゃんはお兄様に向いた。
「申し訳ありません」
何事も卒のないお兄様は最初に頭を下げた。ここが大切なのよね。
「この洞窟まで案内して、退治しようと考えておりました」
「そこで余を呼んだというのか?」
シャラおばちゃんの顔が険しくなった。
「滅相もございません」
お兄様が慌てて頭を下げたが、
「いや、よいよい、良い判断じゃ。余も丁度暇にしていた所じゃ。昔はよくその方らの先祖と山賊退治をして楽しんだものじゃ」
シャラおばちゃんは笑みを浮かべた。
「で、山賊共はどの者から余に挑戦するのか?」
シャラおばちゃんは山賊どもを見渡したが、
「は、はああああ!」
山賊どもが一同平伏してくれたんだけど……
ええええ!
ちょっと頭下げるのが早すぎない?
私の計算では後二、三人シャラおばちゃんに逆らって、倒されて、それから平伏する予定だったんだけど……これじゃさすがに早すぎる。
「なんじゃ、山賊どもが情けない。もう余に逆らうのは止めたのか?」
呆れてシャラおばちゃんが言い出したが、
「ぜ、全能神であらせられるシャラザール様に逆らうなど到底できません」
一人が叫びだして全員大きく頷いてくれた。
うーん、正体までわかられたら、もうどうしようもないわ。
シャラおばちゃんは千年前に魔王を退治した功績で神様になった、私達のご先祖様なのよ。
私のご先祖様は凄いでしょうって?
でも、千年も立てば大半の人の血の中にシャラおばちゃんの血も入っているわよ。この山賊の男の中にも入っているはずよ。何しろ、シャラおばちゃんは、地上にいる時から絶倫で、お父様達からは使い方が違うって言われたけど、その子供の数は10人を超えて、なおかつ、父親は全部違って、白黒黄色関係なく全人種に渡っているのよ。人種によって差別するのは禁止というのはシャラザール法によって定められていて、それを破って黄色人種を奴隷にしていたホワイト王国はシャラおばちゃんの逆鱗に触れて、この世から消滅させられたわ。
世界帝国を樹立して、世界各地にその子を派遣して国王にしたのがシャラおばちゃんで、各地の王はシャラおばちゃんの子孫を名乗っているのよ。
子孫が嘘だと思うのなら、一人の子供が20年で二人子供を作るとして計算してみなさいよ。30世代で軽く人口を超えるから。
まあ、その中でも、お母様のミハイル侯爵家は初代様がシャラおばちゃんの娘で以来一番シャラおばちゃんの血を濃く受け継いでいるんだって。私がその最たる者らしいわ。
だから、シャラおばちゃんも私が可愛いみたい。
最も私は誰にも可愛がられる五歳児なのよ。
そんじょそこらの皇女や令嬢達とは可愛さが違うのよ!
「こんな簡単に降伏してくるな! もっと反抗せよ」
シャラおばちゃんが怒って言い出したけど
「そのような滅相もございません」
男達は平伏したままだった。
「うーむ、面白くないの」
シャラおばちゃんは途端に不機嫌になった。
「フランクとそこのアレクの息子や!」
「「えっ?」」
呼ばれたお兄様とブラッドは固まっていた。
「余の相手をせよ」
シャラおばちゃんが、無理難題を言い出した。普通の時なら、そのままお兄様達に相手をさせるんだけど、今は一刻も早くダンジョンの最奥に行かなくてはならない。
「シャラおばちゃん。私達は今からこのダンジョンに探検に行くのよ。お兄様達は戦力だから、訓練はダンジョン制覇を終えてからにして」
私が頼み込むと、
「なんと、この最果てのダンジョンに潜るのか? 懐かしいの。余も手伝ってやろうかの」
シャラおばちゃんが、言い出した。
「おばちゃん、さすがにおばちゃんが手伝ってくれたら一瞬で終わると思うんだけど、それはずるしたことになると思うの」
私は断った。
さすがに全能神を連れてのダンジョン制覇は不味いと思う。
「なんと、アリスは自分たちだけでこの最難関のダンジョンに潜るのか?」
シャラおばちゃんは驚いてくれた。
「やはり、自達の力でやらないと」
私が当たり前のように言うと、
「その言や良し」
シャラおばちゃんが感心してくれた。
「このダンジョンの最奥にはなにやら不穏なやつがおるが、まあ、アリスの力ならばなんとかなろう」
シャラおばちゃんは太鼓判を押してくれた。
「えっ、アリス、シャラザール様のお力を借りないの?」
モンモンが驚いて尋ねて来た。
「全てが破壊され尽くされても良いのなら借りれば良いんじゃ無い」
「それは困るわ」
私が言うとモンモンは驚いて首を振ってくれた。
「しかし、そうなると余は暇じゃの」
不機嫌そうにシャラおばちゃんが言い出した。
「おばちゃん、もうじき、お父様達が大挙してやってくるから、お父様達と訓練すれば良いんじゃない?」
私は提案して上げた。
お兄様やブラッドは青くなっていたが……
追いかけてきたお父様達を足止めできる最強の人物が、シャラおばちゃんなのよ。
「うん? そうじゃな、アレクとジャンヌがこちらに向かっているようじゃ。丁度良いの。久々に余が稽古をつけてやるか!」
シャラおばちゃんはやる気になってきた。
お兄様達は頭を押さえていたけど、山賊共を退治してくれて、なおかつ追ってくるお父様達を足止めできる人物なんてシャラおばちゃん以外考えられなかったのよ。
これぞ一石二鳥っていうことよね。
私はとても満足だった。
ここまで読んで頂いて有り難うございます。
アレクもジャンヌもここで喜々としてシャラザールが待ち構えているとは想像だにしていません。
二人の運命や如何に?
続きをお楽しみに!








